Facebookは一から再出発することで、次の10年間に挑もうとしている。
新たな始まりは「Paper」によってもたらされた。Paperはニュースの閲覧や執筆のための「iPhone」向けスタンドアロンアプリケーションで、Facebookの10周年の前夜に当たる米国時間2月3日に米国においてリリースされた。
例えるなら、PaperはFacebookの2014年バージョンのようなものだ。この10年間で築かれた強固な壁に行動を制限されることはないが、12億3000万人のユーザーという土台に支えられている。
ありのままの事実を言うと、Paperは写真、動画、記事といった「News Feed」の定番コンテンツを、スマートフォンで楽しむために設計された新しいフォーマットで提示する。スポーツ、エンターテインメント、フード、キュート(愛らしい動物の写真)といった新聞風のセクションが用意されており、ユーザーはそれらのセクションを自分用にパーソナライズしたマガジンに追加して、興味のある話題についてのニュースを集めることができる。
PaperはFacebook Creative Labsが開発してリリースするスタンドアロンアプリケーションの第一弾だ。同部門は新興企業のような組織であり、Facebookのような規模の企業につきものの運営面での拘束から切り離されている。プロダクトマネージャーのMichael Reckhow氏やプロダクトデザイナーのMike Matas氏が根本的に異質なアイデアを考え出せるように、自分たちの好きなようにする自由をほかでもない最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏から認められている。
もちろん、Zuckerberg氏に連絡して助言を受けることはあるが、ほとんどの場合、各メンバーのクリエイティブな思いつきのままに行動する。
同社の10周年は、Creative Labsをアピールして、今後登場するものの方向性を示す最高の機会のように思える。
Paperに関して、Facebookは同社のネットワークを小さな部品に解体し、その部品のいくつかを組み合わせて全く別のものを作り上げた。Paperはスタンドアロンアプリなので、広告のない同アプリが大人気になってメインアプリの利用が大幅に減らない限り、Facebookが損失を被ることはない。Facebookは広告から利益を得るために、多くのユーザーにメインアプリを使ってもらう必要がある。
再編への取り組みは、Facebookで最も閲覧数が多い部分に血液を送り込むツール、つまりNews Feedの外観を変えることから始まった。News Feedはユーザーのネットワーク内で起こっているあらゆることの情報源だが、必ずしも物語を優雅に伝えるために設計されたわけではない。
Reckhow氏は米CNETに対し、次のように述べている。「ユーザーが自分の物語を作り上げて、その表示方法を制御できる素晴らしいツールを開発したい。(Paperは)こうしたアイデアから生まれたものだ。共有のためのネットワークが発達する中で、ネットワークはいつもツールを上回る速度で発達してきた」
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