Googleは強大な企業だが、過渡期にある大企業だ。
世界最大であるGoogleの検索エンジンは、2014年も市場で優位に立ち続けた。米国ではデスクトップコンピュータの検索市場の67%を占め、全世界における年間売上高は500億ドルに達している。
だが、今後の収益源をどこに求めるかを考えるにあたって、同社にはビジョンの拡大が必要だったと、最高経営責任者(CEO)のLarry Page氏は率直に語っている。Googleは1998年の創設当初、「世界中の情報を整理する」ことを自社の使命として掲げたが、今やその意味するところは、検索だけにとどまらなくなってきた。
「このミッションステートメントは意味が少し狭すぎるのではないかと思う。もう少し広い範囲でどう達成するかを考えているところだ」。Page氏は12月にこう述べている。
したがって、意外なことではないが、今後1年のGoogleに関して予測されることの多くは、強大な検索ビジネスとはほとんど関係なく、検索以外の成長著しい事業に大きく関わってくる。つまり、YouTube、秘密の研究機関Google X、そして優勢の続く「Android」プラットフォームなどの事業だ。ここでは、2015年のGoogleを考えるうえで注目すべき4つの点を取り上げる。
Google Glassを覚えているだろうか。インターネット接続が可能なスマートメガネとしてマニアや技術系メディアの注目を集め、2013年前半に限定プログラムで発売されたが、2014年にはいささか失速した。Googleは消費者向けバージョンのGoogle Glassを2015年内にリリースするとみられている。
Googleの共同創設者Sergey Brin氏は以前、Google Glassを2014年に一般販売する意向だったが、同デバイスは2012年の公開以来、賛否両論にさらされてきた。特に、著作権やプライバシーの侵害を懸念する層からは怒りを買っている。カメラと撮影機能を内蔵しているため、全米映画協会(MPAA)によって映画館での使用が禁止され、また一部のバーでも禁止の扱いを受けている。
だが、このように物議をかもしてはいるものの、Google Glassは現在でもかなり広い範囲で技術的なテスト運用が続けられている。Googleは戦略的に緩やかなペースのロールアウトを計画しており、早期に入手したユーザーを「Explorer」と呼んでいる。
試験運用の段階を終えた同製品にどのような機能が搭載されるかは分からない。一部のアナリストは、元の「Explorer」価格の1500ドルより下がると見込んでいる。スタンフォード大学の教授で、シリコンバレーの未来学者として数十年にわたり業界の動向を追ってきたPaul Saffo氏は、期待を抑えるために意図的に高めの価格が設定されたと考えている。「消費者向けの価格を設定していれば、ユーザーは消費者向けの機能を期待していただろう」(Saffo氏)
初期段階で苦難を経た結果として、同製品が改善されるという意見もある。「バージョン1の失敗を受けて、バージョン2、3、4では大幅な向上が期待できるだろう」。B. Riley and CoのアナリストSameet Sinha氏はこのように語った。
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