グーグルの2015年--検索以外に注目すべき4つの動き - (page 2)

Richard Nieva (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2015年01月07日 07時30分

2. テレビの広告予算をYouTubeに移す取り組み

 Googleは、自社の最重要オンライン動画プラットフォームYouTubeに莫大な投資を続けている。同社は最もクリエイティブな人材をYouTubeに投入し続けることに腐心してきた。特に、Facebookなどの競合企業や、Victoriousなどの新興企業が、YouTubeの縄張りへの進出を狙っているためだ。

 これほどの投資には当然の理由がある。YouTubeの月間ユニークビジター数は10億を超え、3カ月分に当たる動画が毎分ストリーミングされている。eMarketerは、米国におけるYouTubeの動画広告の売り上げが2014年末までに11億3000万ドルに達すると予測していた。

 GoogleはYouTubeの収益化をさらに進めたい考えだ。従来の広告業界では、広告主と広告代理店が最も多く予算をかける媒体はテレビだった。しかし、アナリストらはその状況が変わりつつあると述べている。Forresterが11月に発表した調査によると、2016年にはウェブ広告への支出がテレビ広告への支出を上回るという(ただし、これにはオンライン動画だけではなくウェブベースのあらゆる種類の広告が含まれている)。

 大手テクノロジ企業数社は、過去数年間にオンライン動画広告に対する投資を増強している。11月には、米Yahooが広告技術企業Brightrollを6億4000万ドルで買収した。これはMarissa Mayer氏が2012年に同社のCEOに就任して以来、2番目に大きな買収だ。2013年には、AOLも別の動画広告企業であるAdap.tvを買収している。

 Googleは大手の広告主や代理店との取引をさらに積極的に推し進め、YouTubeでの広告予算獲得を目指すだろう、とSinha氏は予測する。Googleは既にそうした契約に乗り出しており、2月には世界有数の広告バイヤーMagna Globalとの契約が締結された。Magna GlobalはIPG Mediabrandsの1部門であり、自社のクライアントのために年間370億ドルを投資している。報道によると、この取引でおよそ1億ドルのマーケティング予算が、YouTubeを含むGoogleのウェブサイトに投下されたという。

 GoogleがYouTubeに莫大な広告予算を呼び込むべく進めている取り組みの手掛かりは他にもある。同社は2月、Googleに最初期から在籍する最上級幹部の1人であるSusan Wojcicki氏をYouTubeの責任者に任命した。Wojcicki氏はこれまで長年にわたって同社の広告事業全体を担当してきた人物だ。

 「これより上級の幹部職はない」(Sinha氏)

3. Androidが至るところに

 Google社内で2014年に最も多忙だった部署が、同社のモバイルOSであるAndroidを担当する部門だったことは間違いないだろう。Androidは既に全世界のスマートフォンの80%以上に搭載されているが、Googleは2014年、さらなる拡大に向けて大きな進展を見せている。

 同社は9月、「Android One」を発表した。これは、高性能のAndroidスマートフォンを手ごろな価格で新興国市場に提供することを目指した取り組みである。ハードウェアにどんなコンポーネントを組み込めばよいかという指針を端末メーカーに示すプロジェクトであり、インドを皮切りに、12月にはバングラデシュ、ネパール、スリランカにまで拡大された。当初はフィリピンとインドネシアでも2014年末までの開始を予定していたが、これらの国での展開は(他の数カ国とともに)2015年にずれ込む見通しだ。

 11月には、「Android 5.0 Lollipop」のロールアウトが始まった。Googleの製品担当責任者Sundar Pichai氏は、これまでのAndroidで「最大にして最も意欲的な」リリースと称している。今回のアップデートでは、Androidのデザインとユーザーインターフェースに全面的な改修が施された。

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