UPDATE Googleの最高経営責任者(CEO)を務めるLarry Page氏が、株主総会を前に年次の「Founder's Letter」を発行した。同社がこれまでに実施した「新しい技術に対する長期的な賭け」の数々や、その背景にある動機が書かれている。
「情報はGoogleの中核」と言うPage氏は、毎月1000億回を超える検索がGoogleで実行されており、そのうちの15%がそれまで検索されたことのない新しいクエリであると指摘する。
また検索結果の単なる羅列ではなく、質問に対する直接的な回答を提供できるように努力しているとPage氏は述べ、「Voice Search」(音声検索)が現在、38言語に対応していることを付け加えた。
しかし、このような進歩にもかかわらず、「努力をしなくても正しい情報を必要な瞬間に入手できるという、私の夢見る検索エンジンからは果てしなく遠い」ことをPage氏は認めた。
ちょうどよいタイミングに情報を提供することを目指す「Google Now」は、これに向けた取り組みの1つである。コンテキストの理解も重要な要素で、この進歩は「人間とコンピュータの対話を改善しようとする場合に不可欠」だとPage氏は述べた。
Page氏は、「Android」の成長にも言及している。10億台ものAndroid搭載端末が現在、アクティベートされている。同氏によると、ユーザーからAndroid開発者に支払われた額は2013年、前年より4倍多くなったという。「われわれは現在Androidを、ウォッチなどのウェアラブル端末や自動車に組み込んでいる。それによって、経路探索、通話、音楽再生を非常に簡単にすることができる」と同氏は付け加えた。
Page氏はさらに、シンプルであることは依然としてGoogleの本質をなす特長だと強調した。「人々はいまだにGoogleのホームページのシンプルさを話題にしている。それは、Googleの当初の成功において大きな比重を占めていた。デバイスやオプションが豊富にあり、集中を妨げるものが多い現在はなおのこと、同じ原則が当社の製品に当てはまらない理由はない」
Page氏は、業界における革新のあり方には批判の余地があると見ている。「時間が経つと、多くの企業がそれまでいつもやってきたことをするだけに満足してしまい、わずかな漸進的変化しかしなくなることも事実だ。変化とは、進化論的ではなく革命的なものである傾向が強いので、このような漸進主義は、特にテクノロジーにおいては、やがて状況にそぐわなくなる」
こうした末路を避けるために、Googleは「次世代の大きな賭け」に投資しているという。ヘルスケア企業のCalicoやスマートコンタクトレンズ企業のIris、さらにはサーモスタットメーカーのNest、自動運転車なども、こうした賭けの一部だ。
「これらは今、かなり度を超したアイデアのように思えるが、過去の例から将来の成功を読み取れるなら、現在は大きな賭けであっても、数年後にはそれほど突飛なものと思えなくなるだろう」(Page氏)
だが、こういったテクノロジーの大きな賭けに出ようと出まいと、Googleの売り上げの約90%は今もなお広告によるものであることにも注目すべきだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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