この連載では、アウンコンサルティングの現地駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを週替わりでお届けします。
みなさんは「11月11日」といったら何を思い浮かべますか? 1の数字が江崎グリコから発売されているお菓子に見えることから言われている“ポッキー&プリッツの日”、こちらを思い浮かべるのではないでしょうか。そのほかにも、漢字の「十」「一」がプラスとマイナスに見えるということから“電池の日”、サッカーは11人でプレイするスポーツなので“サッカーの日”など、日本の11月11日はユニークな日が多く制定されています。
それでは、中国では数字の1が並んだ11月11日は、何の日とされているのでしょうか。
中国で11月11日は「光棍節(グァングンジェ)」といい、海外のブラックフライデー(11月の第4金曜日)、サイバーマンデー(ブラックフライデーの翌週の月曜日)などに並ぶ、ショッピングの日です。
数字の1がパートナーのいない独身者(光棍)に見え、1ばかり4つも並んでいることから、中国大陸の若者同士の間でシングルデーの意味「光棍節」と言われたのが始まりです。中国大陸では、11月11日前後にお見合いパーティなどの恋人探しを目的としたイベントが、各地で開催されています。
このシングルデーがショッピング(特にネット通販)の日になったのは、中国の最大電子商取引企業アリババグループが約5年前、傘下のECサイトであるタオバオ(淘宝、天猫モールを含める)を通じて、独身者のための大々的な割引セールを実施したことが始まり。それが今では中国最大のショッピングの日になりました。
11月11日のこの割引セールは、独身の人々が自分のために贈り物を送るという趣旨のもとに始まったと言われています。
11月11日をシングルデーから“中国最大のショッピングの日”に発展させたアリババ。そのアリババの魅力は、一体何なのでしょうか。最も大きいものとして、同社の電子決済サービスであるアリペイ(支付宝)を含めたインスタントメッセンジャーを利用した小額決済など、便利な支払いサービスの提供が挙げられます。また、中国ならではの価格競争力はもちろん、幅広い商品を販売していることも魅力の一つとして挙げられます。
2013年、光棍節の1日でアリババグループは350億中国元(約6600億円)の売上高を、今年は過去最高となる571億元(約1兆800億円)の売上高を記録し、売上を毎年更新する勢いを見せています。ちなみに、日本のユニクロは2014年度の光棍節、天猫モール内レディースファッション分野において、販売高2位にランクインしています。
中国大陸発の光棍節は、近年台湾にも浸透してきています。アリババグループの中で台湾は、香港とアメリカに続いて3番目に売上が多い国です。2014年9月、アリババグループの傘下であるECサイト淘宝は、淘宝台湾版をローンチしました。淘宝台湾版は繁体字のコンテンツ、通貨単位や配送システムの現地化、そして台湾ユーザー向けのプロモーションなどでさらなる顧客獲得を狙っています。
なお中国語の中でも、中国大陸の公用語は簡体字、台湾と香港の公用語は繁体字となっています。
中国大陸からの積極的なマーケティングが台湾に浸透しつつある昨今、台湾の主要な電子商取引企業も「光棍節」の特需を狙ったセールを実施しています。Yahoo!台湾が運営する、台湾の代表的なECサイト「Yahoo!奇摩購物中心」「Yahoo!奇摩超級商城」「Yahoo!奇摩拍賣」では今年も11月11日、独自のセールイベント「1111網購節」を開催。期間中は商品を通常価格の最大50%オフで提供するなど、さまざまな販促活動を展開しています。
陶器が好きな人にお勧めしたい「鶯歌(オウカ)」は、台北駅「台北車站」から鉄道で約30分。日帰りで行ける、台湾陶芸の中心地です。鶯歌駅から徒歩10分程で、たくさんの陶器屋が軒を連ねている通りが見え始めます。
200年以上の歴史を持つ鶯歌は 、昔は陶磁器業で栄えた土地で、今は町おこしのために陶芸観光に力を入れています。「陶」をテーマにした陶芸教室や陶芸展示などがあり、町の至る所に見どころ、楽しみどころがあります。もしお近くにいらした際には、私のお勧め「鶯歌陶瓷博物館」に立ち寄ってみてください。かわいい陶器人形が沢山展示されていますよ。
2010年10月、アウンコンサルティング沖縄支店入社。
アウンコリアマーケティングを経て、2013年8月よりアウン台湾マーケティングにてSEOとリスティング広告を主軸とした検索エンジンマーケティング(SEM)の分析・運用などに携わっている。
ウェブに関する資格を多数保有している。Google Partners Certification(Google認定資格)、Google Analytics Individual Qualification(Google認定資格)、Bing Ads Accredited Professional(Bing認定資格)、検索広告マーケッター(韓国情報通信振興協会認定資格)、ウェブデザイン技能士(韓国産業人力公団認定資格)、コンピューター・グラフィックス運用技能士(韓国産業人力公団認定資格)など、ウェブに精通した知識と技量を持つ。
また、語学も堪能であり、韓国語日本語中国語を話すトリリンガルである。日本語検定1級も所有しているため、日本人よりも綺麗な日本語を話すと評判。
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