この連載では、アウンコンサルティングの駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを週替わりでお届けします。
先日、タイでもiPhone 6が発売されました。ここバンコクでも、大型ショッピングセンターMBKなど至る所で販売が開始され、流行りものに目がないタイ人女性が自慢気にiPhone 6を手にしている光景をよく見かけます。
平均世帯収入2万5000タイバーツのこの国で、2万5500タイバーツ以上の高額なiPhone 6がなぜこんなに売れているのか……うーん、やはりバンコク七不思議ですね。
さて、携帯電話の話を少し。日本の皆さんが携帯電話を買いに行く時、多くの人がドコモやau、ソフトバンクなどのキャリアに買いに行くのではないでしょうか。しかしここタイでは、携帯電話を購入したら、自分でキャリアショップへ行き、インターネット回線の接続契約をしなくてはなりません。タイには3大キャリア「True」「AIS」「DTAC」があり、タイ人の多くがこのキャリアと契約し、インターネットを使用しています。
そんなインターネット事情に特徴があるタイ。現地の人たちは、どのくらい携帯電話を持っているのでしょうか。タイでは、格安スマホの台頭、平均世帯収入の増加などの理由から、携帯電話の普及率は2013年で137%(ITUdata2013)を超えており、大変高い普及率となっています。その中で、スマートフォンの普及率は31%と、日本よりも高い普及率となっています。
また、タイ政府は携帯電話の普及を推奨しており、2015年には25万カ所にWi-Fiフリースポットを設置する予定だと公言しています。
スマートフォンが普及し始めてから、バンコクでも、スターバックスやデパートなど至る所でWi-Fiフリースポットを見かけるようになりました。現状は使用の際にパスポート番号が必要だったり、時間制限があったりと、使用するには若干不便な面も多々あります。
そのため現地の人々は、Wi-Fiを使うのではなく、前述で挙げたキャリアの回線を利用してインターネットを使う人がほとんどのようです。実際に、Wi-Fiフリースポット付近で、観光客がスマートフォンを持ちながら四苦八苦している姿をよく見かけます。Wi-Fiフリースポットを増やすだけではなく、今後は使い勝手を改善する必要がありそうです。
Wi-Fiだけではなく、タイではまだまだインターネット回線の整備が未発達であると感じます。バンコク市街ではネットが全く通じなかったり、バンコク市内でも電線(ネット有線)が道に垂れ下がっていたり、サーバが突然止まったり、時間帯によってネットが非常に遅くなったりと……そんな異常な事態も平気で起きます。
タイのインターネット事情は、「回線整備」「Wi-Fiの使い勝手」両面でのさらなる改善が必要になりますね。
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