グリー傘下のネット広告会社Glossomは、モバイル動画広告事業を手掛ける米AdColonyから動画広告配信プラットフォーム「AdColony(アドコロニー)」の日本向け独占配信ライセンスを取得したと発表した。当初はAdColonyと同じ広告メニューを提供する予定で、12月中旬に料金などを発表し、1月から販売する予定という。
Glossomによれば、AdColonyは独自の動画広告技術「Instant-Play」を使い、スマートフォンで他プラットフォームよりも速く、高画質なHD動画広告を表示できる。スマートフォンの動画広告は読み込み時間の長さが課題の一つとされていたが、これが解消されることにより広告の訴求力向上が見込める。
課金形態は完全視聴型で、動画広告が最後まで表示された時点で料金が発生する。なお動画はスキップできない仕様だ。動画が流れた後にはエンドカードが表示され、TwitterやFacebook、YouTube、アプリストアなどに送客可能。連携させるサービスは自由にカスタマイズできるという。
Glossom代表取締役社長の青柳直樹氏は、「動画広告の最大手はYouTubeで、Facebookも非常に伸びている。ただ、競合というよりも一緒に市場を作っていくパートナー」と現状を語る。今後、動画広告になじみのないクライアントにも商品を訴求し、テレビに次ぐポジションを狙う。「(動画広告の)既存の“スマートフォン広告のハイプレミアム版”という認識を変えたい」(青柳氏)。
Glossomでは、リワードとDSPの「GREE Ads」、アドネットワークとSSPの「AdLantis」の2つのブランドで広告商品を展開中。これに、新たに動画広告が加わることになる。青柳氏は「(動画広告は)リワードやアドネットワークよりもポテンシャルが高い」とし、約2年をめどに、市場がある程度の規模にまで成長すると見込んでいる。
米eMarketerの調査によれば、米国のスマートフォン向け動画広告市場は2014年の時点で14億ドル(約1400億円)、さらに今後4年で50億ドル(約5000億円)に成長し、世界規模では100億ドル(約1兆円)まで成長するという。またAdColonyの調査では、CPI(Cost Per Install)、CPA(Cost Per Acquisition)など獲得効率を重視する広告主において、 2015年の最も注目する広告手法が動画広告となっている。
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