iOS 8では大きな変更と無数の小さな機能拡張が施されているが、まだ実現されていないこともある。筆者はかなり前から繰り返し述べてきているが、ここでもう1度繰り返しておく価値はあるだろう。
1台のデバイス上で複数のユーザーアカウントを使い分けることはまだできない。これができれば、子どもは親のデバイスを使って簡単にチャットや電子メール、ゲーム履歴、その他の情報にアクセスできるようになるはずだ。こういった機能がなくても気にならない人もいるだろうが、1台のiPadを家族の数名で共有しているというのであれば、アカウントを使い分け、各人ごとにエクスペリエンスを設定できるようになっていると絶対にうれしいはずだ。
また、デフォルトアプリを置き換えることもできない。筆者は、ちょっとしたウェブサーフィンであればSafariで十分だと感じているが、知り合いのなかにはiPhoneのデフォルトブラウザを「Chrome」に変えたいと考えている人もいる。ただAppleは、ウェブサーフィンや電子メールといった主要機能に自社の旗艦アプリを使ってほしいと考えているため、これは実現されないかもしれない。
これらが実現されていないからといって、iOS 8をインストールしない理由にはならない。しかし、あなたの探し求めていた変更が実現されているかどうかは知っておいた方がよいだろう。
AppleのiOS 8は「iOS 7」のようなデザイン上の大きな変更がなされていないため、デバイスの使用方法が根本的に変わってしまうという心配は無用だ。iOS 8ではむしろ、「Messages(メッセージ)」アプリにおける選択肢の充実から、フォトライブラリの検索手段の洗練に至るまでの、時間の節約につながる数多くの細かい微調整がなされている。
近距離無線通信(NFC)を活用した「Apple Pay」という支払いシステムは最もエキサイティングな機能追加であるが、多くの大規模店舗が採用したとしても、この機能は「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」、そして「Apple Watch」でしか利用できない。このため、iOS 8における多くの変更と同様に、現実世界でそれがどのように機能するのかと、どれだけ多くの人々が利用するのかは、時間をかけて見てみる必要がある。
このアップデートにおける追加機能の内容は、細かい微調整すべてを考慮しても、「Android」の後を追いかけている部分と、独自の新機能で突出する部分が混じり合ったものとなっている。ただ、スマートフォンの成熟にともない、スマートフォンというプラットフォームに追加する機能がそれほど残っていないという状態に近づきつつある。その結果、われわれが目にするチューニングは、日々の操作を容易にするようなある種の新しくユニークな機能追加とともに、ものごとを効率的にする方向に進んでいるように感じられる。
iOS 8には、利用可能になった際に一刻も早くダウンロードする必要のある必須機能が存在するだろうか?筆者はそのようには感じていない。実際のところ、時間をかけて考えてほしい。iOS 8によって、ほとんどすべてのコアアプリに改善がもたらされるのは間違いない。また、iOS 8はおしなべて安定したシステムアップグレードと言える。ただ、サードパーティー製アプリをベースにした機能がどのように展開していくのかと、人々がそれをどう受け止めるのかが分かるまで、iOS 8の目玉機能の評価はおあずけとなるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」