「iOS 8」の第一印象(後編)--注目の新機能や改善点 - (page 2)

Jason Parker (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2014年10月07日 07時30分

App Storeにおける容易なナビゲーション

 iOS 8では「App Store」にも機能が追加されている。これによって開発者は、短いビデオによるアプリ紹介や、複数アプリのバンドル販売、アプリのまとめ買いをしてくれたユーザーに対する割引の適用といったことが可能になった。また、ユーザーが安心してアプリを選択できるよう、Appleスタッフのお勧めマークが表示されるようになったほか、開発者がベータテスト段階のアプリを、購入やサイドロードといった手段を介さずに、興味を持っているユーザーに届けられる「TestFlight」も統合された。

 お金の話をすると、iOS 8では子どもが購入するアプリの数を制限したいと考えている両親のために「Family Sharing(ファミリー共有)」という新機能が用意された。これにより、例えば子どもがあるアプリを家族アカウントで購入しようとした場合、そのアカウントに登録されているクレジットカードの所有者が承認あるいは拒否する機会を持てるようになった。これは同一クレジットカードでアプリを購入する家族(最大6人)に適用できるようになっている。

 なおファミリー共有機能では、「Find My iPhone(iPhoneを探す)」機能を利用して、家族の他のメンバーの携帯電話に位置情報を要求し、該当の携帯電話を探せるようにもなっている。

提供:Jason Parker/CNET
App Store内でトレンド検索が可能になり、検索結果を垂直方向に手早くブラウズできるようにもなった。
提供:Jason Parker/CNET

その他の目玉機能

 iOS 8には、本記事で紹介している機能のほかにも、数多くのちょっとした変更が追加されている。例を挙げると、ホームボタンをダブルクリックすると、現在動作しているアプリ群が表示されるのは従来通りだが、それとともに画面上部に丸い写真形式で連絡先が一覧表示される。左側には「Favorites(よく使う項目)」が表示されるため、母親や親友に対してすぐさま電話をかけたり、テキストメッセージを送ったり、「FaceTime」通話を起動できる。その右隣には、最近連絡を取った人々が表示される。つまり、連絡先一覧をスワイプして探さずとも、最も重要な、あるいは現時点で最も適切な人々にすぐさま連絡を取れるようになるわけだ。今すぐ水道修理屋を呼び戻す必要があるって?まったく問題ない。

 「Safari」に搭載されている、数々のタスクをインラインで可能にするという拡張機能も筆者のお気に入りだ。これを使えば、知らない言語で記述されたウェブページをオープンしても、ドロップダウンメニューからBingの翻訳拡張機能「Bing Translator」を選択するだけで、該当ウェブページをそのまま自国語で閲覧できるようになる。拡張機能が今後も増えていくのは間違いない。どのような機能が登場するのか、筆者は楽しみにしている。

 「iPad」の電子メールでは、サイドバー内でのスライドジェスチャーによってメッセージの削除やフラグ設定が可能になるという改良がなされている。また、新規メッセージの作成中にメニューバーを画面下に向かってスワイプすると、書きかけのメッセージはそのままの状態にして一時的にそこから離れ、受信ボックス内にある他のメールに添付されている画像をコピーできるようになる。そして、クリップボードに添付ファイルをコピーした後、画面下のタイトルバーをタップし、書きかけのメッセージを再び表示させ、クリップボードの内容をペーストしてから、書き終えたメッセージを送信すればよいわけだ。

 「iOS」は今回のリリースから、「iCloud Drive」や「Spotlight」(前編を参照)といった、Macの「OS X 10.10 Yosemite」でも利用可能な機能をいくつか搭載している。iCloud Driveは「OS X」とiOS 8間でも動作し、写真やビデオ、Appleのアプリで作成された書類だけでなく、どのようなファイルでも格納できるようになっている。

 iOS 8はさまざまなデバイスで作業している場合でも、Yosemiteとシームレスに連携できる。新しい「Continuity(連携)」と呼ばれる機能によって、あるデバイスから別のデバイスに作業を手渡す「Handoff」が使えるようになる。このため例えば、iPhone上の「Keynote」でプレゼンテーションを作成した後、自宅に帰ってiPadを立ち上げると、左下に小さなボタンが表示される。このボタンをタップすれば、先ほどまで作業していた内容がiPadの画面上に表示されるため、そこから作業を継続できるというわけだ。Macでも(Yosemiteを使えば)同様のことが可能だ。どのようなデバイス上で開始したプロジェクトでも、連携を使えば他のデバイスで作業を継続できるようになるのだ。

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