そういった中で最近人気なのが、スマートフォンアプリで配車を依頼するサービスです。
日本では「Uber」や「日本交通」が展開していたり、世界では「Lift」が急速に広まったりとなにかと話題になっていますが、シンガポールでもすでに一般的になりつつあります。
その中でも特に使われているものは5つあります。
いずれのアプリも、配車に加えて事前予約が可能です。SG Taxi Fare以外はGPSなどでユーザーとタクシーの居場所が補捉され、到着予定時刻が算出されます。予約の際は3シンガポールドル(約240円)を予約料として運賃に上乗せして支払います。
アプリ自体の認知拡大には、タクシー内での広告のみならず、テレビCMや新聞広告、検索エンジンマーケティングなどを活用しています。利便性が高いため口コミでも広まり、スマートフォン普及率が87%と高いシンガポールでは、ほとんどのユーザーがなにかしらのアプリをインストールしています。
ただし、Comfort DelGroのアプリは当然全タクシーの62%しか呼ぶことができず、Trans cabに限っては10%。必然的に1、2で見つからなかった場合の最終手段となっており、所属ドライバーにとってはアプリ経由の配車数に不満を持っていました。
その予約料と、公式アプリの欠点に注目したのがGrabTaxi。マレーシアを皮切りに、フィリピン、タイ、ベトナム、シンガポール、ベトナム、インドネシアと現在東南アジアで急拡大している企業です。
GrabTaxiは、どのタクシー会社であるかに関わらず、アプリを導入しているタクシードライバーの車であれば予約可能で、ユーザーにとって利便性が非常に高いです。公式アプリに比べ、ユーザビリティも洗練されています。ユーザーが支払わなければいけない予約料も公式アプリと同様です。
それがタクシー会社ではなくドライバーに支払われる仕組みになっているため、タクシー会社からは反対の声が上がっていますが、ドライバーのアプリ利用者は急増中。加えて、実際にGrabTaxi経由の客が増えていること、たくさんの客を獲得したドライバーにはインセンティブが与えられることなど、ドライバーのマネジメントに直接的に関わらないこそ、彼らの利用モチベーションが上がる仕組みを上手く構築しています。
複数の会社を横断的に検索できるGrabTaxiがシェアを拡大していく可能性は高く、公式アプリは直接的な集客だけではなくアプリを利用した2次的なマネタイズも考慮すべきかと思いますが、その現状はどうでしょうか。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」