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アジア現地駐在員マーケティングレポート

シンガポールで過熱する「タクシー配車アプリ」--その現状は - (page 2)

島田裕一(アウングローバルマーケティング)2014年10月15日 08時00分
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シンガポールのタクシー配車アプリ

 そういった中で最近人気なのが、スマートフォンアプリで配車を依頼するサービスです。

 日本では「Uber」や「日本交通」が展開していたり、世界では「Lift」が急速に広まったりとなにかと話題になっていますが、シンガポールでもすでに一般的になりつつあります。

 その中でも特に使われているものは5つあります。

  1. 「ComfortDelGro Taxi Booking」:Comfort DelGro社(業界シェア62%)の公式アプリ。タクシー業界で最初にリリースされたアプリ
  2. 「SMRT Book a Taxi」:SMRT社(業界シェア11%)の公式アプリ
  3. 「Trans cab」:Trans cab社(業界シェア10%)の公式アプリ
  4. 「SG Taxi Fare」:シンガポールの全てのタクシー会社の電話予約用アプリ。ユーザー数減少傾向
  5. 「Grab Taxi」:マレーシア資本の新規参入企業のアプリ
  • シンガポールで特に使われている5つのアプリ

 いずれのアプリも、配車に加えて事前予約が可能です。SG Taxi Fare以外はGPSなどでユーザーとタクシーの居場所が補捉され、到着予定時刻が算出されます。予約の際は3シンガポールドル(約240円)を予約料として運賃に上乗せして支払います。

 アプリ自体の認知拡大には、タクシー内での広告のみならず、テレビCMや新聞広告、検索エンジンマーケティングなどを活用しています。利便性が高いため口コミでも広まり、スマートフォン普及率が87%と高いシンガポールでは、ほとんどのユーザーがなにかしらのアプリをインストールしています。

 ただし、Comfort DelGroのアプリは当然全タクシーの62%しか呼ぶことができず、Trans cabに限っては10%。必然的に1、2で見つからなかった場合の最終手段となっており、所属ドライバーにとってはアプリ経由の配車数に不満を持っていました。

新規参入タクシー配車アプリ「GrabTaxi」

 その予約料と、公式アプリの欠点に注目したのがGrabTaxi。マレーシアを皮切りに、フィリピン、タイ、ベトナム、シンガポール、ベトナム、インドネシアと現在東南アジアで急拡大している企業です。

 GrabTaxiは、どのタクシー会社であるかに関わらず、アプリを導入しているタクシードライバーの車であれば予約可能で、ユーザーにとって利便性が非常に高いです。公式アプリに比べ、ユーザビリティも洗練されています。ユーザーが支払わなければいけない予約料も公式アプリと同様です。

 それがタクシー会社ではなくドライバーに支払われる仕組みになっているため、タクシー会社からは反対の声が上がっていますが、ドライバーのアプリ利用者は急増中。加えて、実際にGrabTaxi経由の客が増えていること、たくさんの客を獲得したドライバーにはインセンティブが与えられることなど、ドライバーのマネジメントに直接的に関わらないこそ、彼らの利用モチベーションが上がる仕組みを上手く構築しています。

 複数の会社を横断的に検索できるGrabTaxiがシェアを拡大していく可能性は高く、公式アプリは直接的な集客だけではなくアプリを利用した2次的なマネタイズも考慮すべきかと思いますが、その現状はどうでしょうか。

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