アジア現地駐在員マーケティングレポート

タイのネット業界を知るために--押さえたい5つのポイント

齋藤陸(アウンタイラボラトリーズ)2014年10月08日 08時00分

 この連載では、アウンコンサルティングの駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを週替わりでお届けします。今回はタイから、現地のネット業界を知るために必要な基本情報をお伝えします。

 皆さんはタイにどのようなイメージをお持ちでしょうか。最近までデモが発生していたので、なんとなく危険そうなイメージでしょうか。それとも、物価が安くて楽しい旅行先でしょうか。

 タイには様々な面があり、一言で表すことは難しいのが実際のところです。しかし、インターネットマーケティングにおいて一つ言えることは、成長市場であり、今後さらに伸びていくということです。

1.タイの基本情報

 タイの人口は、現在約6700万人です。そのうち首都であるバンコクには約828万人、バンコク都市圏まで含めると約1500万人が住んでいるといわれ、東南アジア有数の大都市です。

 次に、タイの一人あたりGDPは5674ドル(2013年)で、日本の3万8491ドル(2013年)と比較するとおよそ7分の1です。ただし、バンコク都市圏だけでみると、一人あたりGDPは約1万3656ドルで、平均を大きく上回っています。つまり経済はバンコクに一極集中しており、地方との格差が大きいといえます。

2.タイの物価と地理

 皆さんは、「タイの物価は安い」というイメージをお持ちではないでしょうか。実際のところはただ一概に全てが安いとは言えず、食事も100円の屋台から1000円近くする日本食まで様々です。

 そしてバンコク市内は多くのビルやマンションが立ち並び、東京と比べてもさほど変わらないほど都会です。また、至るところにデパートやショッピングセンターがあり、日々多くの人で賑わっています。観光客が多いのも特徴で、世界各国から多くの観光客がタイを訪れています。

 主要な交通機関は、主にバス、タクシー、そしてBTS(バンコク・スカイトレイン)と呼ばれる高架鉄道と、MRTという地下鉄です。タイのタクシーは値段が安く、初乗り35バーツ(約110円)となっています。バスは日本人にはあまり馴染みがありませんが、8バーツ(約30円)から乗車できます。BTSやMRTは観光客も多く利用する交通機関です。

 ショッピングエリアやホテル、観光スポットが狭いエリアに密集しているため、コンパクトにまとまっており、必然的にビジネスの中心もバンコクに集中しています。

3.タイ人の性格

 タイは微笑みの国と言われるほど、穏やかな国というイメージが一般的です。確かに、タイ人は明るく楽しい雰囲気を好み、真面目で深刻な雰囲気は好まない傾向にあります。しかし、表面的には穏やかに見えても、本心は穏やかでない場合もあります。

 たとえばタイ人同士でも、仲が良さそうにみえて、実はお互い嫌っていたということがしばしばあります。また、プライドを傷つけるような行為や言動に対しては、日本人以上に敏感に反応して強く反発することもあります。

 タイ人と仕事の信頼関係を築いていく上で大切なことは、たとえ大きな失敗や過ちを犯しても、決して人前で叱責してはいけないということ。これはタイでの常識です。

4.タイの広告市場

 次に、タイの広告市場規模について見てみましょう。ニールセンによると、2013年のタイの広告費は1150億バーツ(約3700億円)で、全体の6割をテレビ広告が占めているとのことでした。

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