CNET Japan Live 2014 Summer

情報量の爆発的増加、エネルギー確保、人口偏在にITはどう対処するか--インテルの見解 - (page 2)

レガシーと新規の円滑な接続、データセンターの技術基盤が要点に

 500億台のデバイスがネットワークで接続されるといわれる。しかし、それらの機器の85%は既存のものであるという。そこで、そのような時代には、レガシーといわば、新興勢力を安全につなぎ、おびただしい数の機器がデータを円滑に共有できなければならない。それを担うのが、二つ目のポイントである、システムオブシステムズであり、IoT向けのゲートウェイがその要だ。Intelは、IoTゲートウェイ開発キットを提供している。

 「DK 100」「DK 200」「DK 300」の3種類を用意。DK 100、DK 200は低消費電力プロセッサ「Quark SoC X1020D」を、「DK 300」はQuarkより上位の「Atom E3826」を搭載している。さらに、IoT向けゲートウェイのためのソフトウェアスタックとして、Wind Riverの商用Linux OS「Wind River Linux 5.0.1」や開発環境「Wind River Workbench」、McAfee の「McAfee Embedded Control」がそろっている。IoT導入への起爆剤の一つを確立するための地固めに着手しているわけだ。

 3つ目のデータセンターソリューションは、エンドツーエンドのアナリティクスを可能にするための基盤となる。Intelは今年3月、米Clouderaに7億4000万ドル(約760億円)を投資し、同社の筆頭株主となった。今回の投資は、データセンター関連技術への単一投資案件として、Intelとして過去最大の規模だった。

 今後、Intelは、Xeonプロセッサを用いたデータセンターアーキテクチャと、Clouderaの「Apache Hadoop」を軸とする企業向けデータ分析ソフトウェアを組み合わせビッグデータソリューションの導入を加速できる体制の構築を図っている。これにより、センサ、ゲートウェイ、端末など、さまざまな機器が創出するデータの管理、分析が実現、IntelのIoT戦略が補強されることになる。

解析なきビッグデータは、価値にはつながらない

 安斎氏は「ビッグデータは、解析しなければ価値にはつながらない。これらを解析し、ビジネスインテリジェンスや知見の発見に生かして初めてIoTのプラットフォームは意味を持つ」と強調する。Intelもビッグデータを積極的に活用している。3年前から、プロジェクトを始動させておいる。同社のビッグデータプラットフォームは、2000億のサーバイベントを同時に処理できる。

 これにより、同社は、過去のデータ解析により、工場のテスト工程を最適化、テストモジュールの異常を予知し、判定ミスを補正、歩留まりを向上させている。すでに9億円のコスト削減を成し遂げており、現時点では、さらに100億円のコスト削減を見込んでいる。同社は「IoTは、バブルを引き起こすとは考えにくいのだが、コストの改善や、企業が的確な判断を下すことに貢献できる。地に足のついた成長が期待できる」(安斎氏)とみている。

 Intelは、このように、IoTの現実化を見据え、最新の市場で先行していくための準備に余念がない。安斎氏は「IoTの流れは止まらない。ビッグデータ、M2Mなど、これまでは、断片的なものである傾向があったが、IoTは、それらすべてを取り込み、変革を起こす、非常に大きな趨勢となる。こうした動きに対し、Intelは、エンドツーエンドのプラットフォームを提供でき、IoTを支えるほとんどすべての領域で要素を用意できるという意味で、極めてまれな立ち位置にいる。今後も、IoTの技術面での推進だけでなく、規格化、標準化の点でも注力していきたい」と述べた。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]