“あらゆるモノがつながる世界~IoTが起こす新ビジネスイノベーション~”をテーマに、CNET Japanを運営する朝日インタラクティブが6月19日に開催した「CNET Japan Live 2014 Summer」。基調講演に野村総合研究所 IT基盤イノベーション事業本部 上級研究員の城田真琴氏を迎え、「IoTとは?--すべてのモノがつながる時代の革新」をテーマに議論を深めた。
総務省「スマートクラウド研究会」技術WG委員、経済産業省「IT融合フォーラム」パーソナルデータWG委員などを歴任した経緯を持つ城田氏。
これまでのインターネット世界の流れを踏まえて、IoTを“ハードウェア(モノ)の価値を再定義するもの”と位置付けた。つまり、今までネットにつながっていなかったモノがつながることにより、ハードウェアの活用の仕方が従来にはなかったものへと大きく変貌するという意味だ。
一方、城田氏によると、インターネットを通じてモノを活用するパターンは、現在主に次の3つに分けられる。まず1つ目が“Machine to Machine(M2M)”と呼ばれる、モノとモノが情報をやり取りするパターン。そして2つ目が人からモノへ遠隔制御する“People to Machine(P2M)”、3つ目がモノから人への通知を行う“Machine to People(M2P)”だ。
また、その3つの中でも特に最近目覚ましく進歩をしているのがM2Pだ。M2Pはモノに搭載されたセンサを通じて情報を検知し、それを人の側に送って知らせるというのが主要な技術的パターン。
例えば、植木鉢に備えたセンサで土の乾き具合を検知し、給水が必要になった際に電話やSNSで知らせる「Botanicalls」や、センサで検知したゴミの量に応じて、自動で回収依頼を行う「SmartBin」と呼ぶサービスなどが最近の事例だ。
城田氏によると、M2Pを筆頭とするこうしたIoTの急速な発展には、センサ技術の進展が背景に挙げられる。センサは、ここ15年足らずの間に大幅な小型化と低消費電力化、低価格化を実現。これに加えて、Bluetooth LEや6LoWPANといった低消費電力の無線通信技術が登場するなど、IoTへの急速な流れの背景にはこうした技術力の向上がある。さらに、さまざまなウェアラブルセンサが登場したことにより、多様なウェアラブル端末が生まれ、IoT化の動きをより後押ししたと分析する。
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