Appleの製品は、ポートの数や拡張性について少し不満が残る場合もあるものの、ここ数年でSDカードスロットやHDMIポートが用意されるようになってきている。今回の製品では2012年のモデルと同様に、USB 3.0のポートを2基と、Thunderbolt(今ではThunderbolt 2)を2基(いずれもMini DisplayPort出力に対応している)、SDカードスロット、Bluetooth、802.11ac無線LANを搭載している。
HDMIポートとThunderboltのビデオ出力を使用することで、2560×1600ピクセルまでの外部ディスプレイを2台接続できる(筆者はRetina Displayを搭載したMacBook Proの両側に高解像度外部モニタを接続し、コマンドセンター気分を味わっている)。
Ethernetや光学式ドライブ、FireWireといった時代遅れのポートを探しているのであれば、いくら探しても無駄だ。そう、AppleはどうやらEthernetも時代遅れなポートだと考えているようだ。
われわれがレビューに使用したのは(かなり)高価な2599ドルのモデルであるが、それほど大きなストレージ容量を必要としない、あるいは専用のグラフィックスプロセッサは不要だという人向けに、1999ドルのモデルも用意されている。2000ドルを少し切る方のモデルには、2.0GHzのCore i7プロセッサが搭載されており、RAMとSSDの容量はそれぞれ半分の8Gバイトと256Gバイトとなっている。またこのモデルにはIntelのHaswell世代のプロセッサと同時にリリースされた、機能を向上させた統合グラフィックスプロセッサのハイエンド版である「Iris Pro Graphics」が搭載されている。
Appleから提供されたハイエンドモデルは、ベンチマークテストで予想通りの素晴らしい結果をもたらしてくれた。「Adobe Photoshop CS5」や「iTunes」を含むテストでは、OS Xの性能向上もあり、おおむね素晴らしい結果を収めた。ただ、Photoshop単独のテストだけは例外であった(どうやらこのプログラムは、まだMavericksに向けた最適化が完了していないようだ)。実際に使ってみた感じでは、2012年のモデルと同様に高速であり、大量のマルチタスク作業や、動画編集、写真編集といった用途でも十分以上にパワーを発揮してくれそうだ。下記のテスト結果を見てもらえれば分かる通り、ほとんどのケースで2012年モデルをそこそこから中程度上回っている。とは言うものの、真のパワーユーザーは2013年12月に発売される最低価格2999ドルのデスクトップPC「Mac Pro」を待つに違いない。
2012年のモデルに搭載されていたNVIDIAの「GeForce GT 650M」が、より新しいGeForce GT 750Mへとアップグレードされたことは、ゲームをプレイするためにMacBook Proを立ち上げる大きな理由となるはずだ。そのうえ、Macのゲーマーを取り巻く状況はかつてないほど良くなってきている。SteamやGOG.comといったゲーム配信サイトには今や、充実したMacセクションが用意されており、Windows向けゲームのOS Xへの移植も数年単位ではなく、数カ月単位で行われるようになってきている。
「BioShock Infinite」や「Metro: Last Light」は2013年にリリースされた素晴らしいPC向けゲームであるが、現時点で既にMac向けもリリースされている(ただし、グラフィックスの設定や解像度に制約があり、MacBook Proはその真価を発揮できない状態となっている)。「Diablo III」は、解像度を最大の2880×1800にして、詳細設定を最高にすると約23fpsというフレームレートでプレイできた。また、解像度を1968×1230(1080pにおいて16:10の比率に近づけた解像度)にした状態では44fpsでプレイできた。
米CNETが所有する旧型のMacを使用した場合、「Call of Duty 4: Modern Warfare」は解像度を2880×1800にして詳細設定を最高にすると、35fpsでプレイできた。また、解像度を1680×1050にすると81.2fpsでプレイできた。なお、2012年のMacBook Pro with Retina Displayモデルでは70.8fpsであり(1680×1050)、解像度を高くするとクラッシュした。
Intelの現行世代CPUを採用する目的は主に、ノートPCにおける普遍的な要求であるバッテリ持続時間の改善である。このモデルにおけるバッテリ持続時間の公称値は8時間だ。ちなみに2012年のモデルは米CNETのテストではほぼ7時間使用できた。また、2013年夏発売のMacBook Air、すなわち最初のHaswell搭載MacBookを用いた米CNETのテストでは、Apple自身の公表値を上回り、12時間以上も連続使用できた。今回の2013年版15インチMacBook Proは、これら2つの製品の中間に位置する結果となり、9時間52分という、15インチのノートPCとしては素晴らしい成績を収めた。
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