2012年に発売された前の世代のMacBook Proと同様に、今回のモデルも「プロ仕様」のパワーユーザー向けノートパソコンと、薄い理想的なウルトラブックとの間に位置するものとなっている。ぱっと見た感じよりもずっしりと重いこの15インチMacBook Proは、毎日ずっと持ち歩くのにはあまり適していないかもしれないが、週に数回持ち歩く分にはおそらく大丈夫だろう。
15インチのMacBook Proは、そのスリムな本体にそこそこの性能の専用グラフィックスプロセッサが搭載されていることを考えると特に、13インチのモデルよりも印象的な製品に仕上がっていると言える。それでも、少なくとも外観は2012年のモデルと変わらない。2013年モデルのMacBook AirとiMacと同様に、新たな特長はその内部とソフトウェア(「OS X 10.9(Mavericks)」を製品の一部として含めた場合)に見られるのだ。
キーボードとトラックパッドは実質的に、過去数世代のMacBookに搭載されているものと同じである。バックライト付きのキーボードは素晴らしく、他社製のノートPCと比べた場合、肩を並べる製品はあっても、これを超えるものはないだろう。おそらく例外があるとすればキーボードの研究開発に力を入れてきているLenovoの製品だけだ。Windows 8搭載ノートPCでは、タッチパッドによる操作の苦労を少しでも軽減する目的もあって、タッチスクリーンを装備した製品へと移行しつつあるとはいえ、マルチフィンガーによるジェスチャーに対応したAppleの大型ガラス製トラックパッドは、いまだに業界のリーダーとして君臨している。4本指でスワイプするという簡単な操作と、ウェブブラウザ操作時のスクロールに遅延がない点に慣れたMacユーザーは、Windows搭載PCを使用するたびに不満を感じることになる。とは言うものの、「タップでクリック」という機能はデフォルトで有効になっているべきだった。これは「システム環境設定」の「トラックパッド」から有効化できる。
15インチのRetina Displayは、2013年モデルでも大きなセールスポイントとなっている。また、Retinaというブランドは今では「iPhone」や「iPad」、MacBook Proに共通するものとなっている。より高い解像度のディスプレイが一部の新型Windows搭載PCに搭載されており、今後もそういった製品が増えていくだろう。このため、MacBook AirにもRetina Displayが搭載されるというのも考えられる話だ。Retina Displayの解像度は2880×1800ピクセルであり、テキストやプロ級の写真を表示する際に威力を発揮する。なお、動画については1080pを超えるものは滅多にないうえ、Macでプレイできるほとんどのゲームもそれ以上の解像度をサポートしていない。
2012年のレビューでも指摘したとおり、Retina Displayは素晴らしいものであるが、それに気付くのはRetina Displayを搭載していないノートPCと比較した場合となるはずだ。その差を実感するには、米CNETが2012年のRetina Display搭載MacBook Proをレビューした時のように、白地に黒のテキストを表示させ、拡大してみるのが一番だろう。
なお、システム環境設定を使用して、解像度をあらかじめ設定されているなかから選択すれば、画面上に表示されるテキストとアイコンの大きさを変えることができる。とは言うものの筆者は、デフォルト設定である最高の解像度(2880×1800)が好みである。
Apple 15インチMacBook Pro(2013年) |
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ビデオ出力 | HDMI、 Mini DisplayPort/Thunderbolt 2ポート×2 |
オーディオ | ステレオスピーカー、 ヘッドホン/マイク兼用ジャック |
データ | USB 3.0ポート×2、 Thunderbolt 2ポート×2、 SDカードリーダー |
ネットワーク | 802.11ac、 Bluetooth 4.0 |
光学式ドライブ | 非搭載 |
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