アマゾンの新「Kindle Paperwhite」レビュー--ディスプレイ改善、高速化でさらに読みやすく - (page 2)

David Carnoy (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2013年10月28日 07時30分

 Amazonによれば、ディスプレイのコントラストは高くなったが、黒が非常に黒いため、その違いを見分けることは難しいという。(Kindle製品マネジメント担当バイスプレジデントであるPeter Larsen氏は筆者に対して、コントラストの改善幅は「2桁」だが、e-inkの製品ロットによって若干違いがあるため正確な数字を出すのは難しいと話した)。

 新しいディスプレイは、ページのリフレッシュ頻度も下がっている(e-inkの画面は、頻繁に画面を白黒反転させてリフレッシュを行い、残像を消す必要がある)。前モデルでは、6ページ前後ごとにリフレッシュを行っていたが、筆者が行ったテストでは、新型のリフレッシュは13ページから14ページに1度しか起こらなかった。

提供:Sarah Tew/CNET
初代Paperwhite(左)と新型Paperwhite。
提供:Sarah Tew/CNET

 バッテリ持続時間は、プロセッサの処理速度が上がったにもかかわらず、Wi-Fiを切った状態で2カ月までと変わっていない。バッテリ持続時間を延ばすには、Wi-Fiをオフにすることが重要になる。「実験的」なウェブブラウザは今回もそのままであるため、本当にWi-Fiを必要とするのは、本を買うとき(あるいは、クラウド上に保存しておいた本を読み込むとき)と、新聞や雑誌をダウンロードする(購読登録が必要)ときだけだろう。文書やウェブ上の記事をデバイスに電子メールで送信することもできるが、Paperwhiteのストレージはそれほど大きくない。内蔵メモリは以前と同じ2Gバイトで(ユーザーのコンテンツに使用できるのは1.25Gバイト)、Amazonによればこれは電子書籍1100冊分に相当する。日本版には、4Gバイトのストレージが搭載される。

 筆者は、このモデルを初代Paperwhiteのほかに、Koboの「Aura」とも比較してみた。Auraは画面サイズが同じにもかかわらずPaperwhiteよりも小さい、上手にデザインされた電子書籍リーダーだ。筆者はAuraを気に入っているが、スクリーンとバックライトはKindleの方が優れている。その違いは大きなものではないが、確かに気がつくレベルのものだ。また、米国版Paperwhiteは、ホーム画面に広告(Amazonは「Special Offers」と呼んでいる)が表示されるWi-Fiのみのモデルであれば、119ドルで入手できる。この広告は、購入時または購入後の好きなタイミングで20ドル支払えば取り除くことができるため、まず安いモデルを試してみるのがよいだろう。3Gモデル(追加通信費用なしで、携帯電話ネットワークを使ってAmazonのストアにアクセスできる)は、米国時間11月5日に189ドルで発売される予定で、こちらも20ドル余分に払えば広告を外すことができる。

提供:Sarah Tew/CNET
USBポートから充電する。ケーブルは同梱されているが、ACアダプタは同梱されていない。
提供:Sarah Tew/CNET

ソフトウェアの変更とアップグレード

 他の変更点は、Amazonがソフトウェアアップデートで追加した(あるいは追加する予定の)機能改善だ。

 これには、「Goodreads」の統合(Amazonはこの人気のあるソーシャル読書・レビューサイトを2013年に買収した)、辞書やWikipedia、「X-Ray」(一部タイトルに用意されている、登場人物とあらすじのメモ)を1つのアクセスしやすいタブから利用できる「Smart Lookup」機能、「Page Flip」(ページを開いたまま、他のページをめくる機能)、辞書で調べたすべての単語を記録しておき、それらを覚えるための単語カードを作れる単語帳機能などが含まれる。

提供:Amazon
「Kindle FreeTime」機能は、ペアレンタルコントロールを可能にするもので、米国で2013年中に提供される予定だ。
提供:Amazon

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