アマゾン「Kindle Fire HDX 7」レビュー--性能やデザイン、使用感など - (page 2)

Eric Franklin (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2013年10月16日 07時30分

Mojito

 「Kindle Fire OS」の新バージョン(「Mojito」と名付けられている)は、「Android OS」の「Jelly Bean」をベースにしている。またこれは、まったく新たなOSではなく昨年のOSを洗練させたものとなっている。

 カルーセルも搭載されており、一列に並んだコンテンツをスワイプで次々に表示させられるようになっているうえ、今回の製品ではホーム画面で下から上に向かってスワイプすると、インストール済みのアプリ群が表示されるようになっている。また、高解像度画面のおかげで、ホーム画面上部のメニューにはすべての項目が同時に表示されるようになっている。

提供:Eric Franklin/CNET
カルーセルとアプリの一覧に、同じページからアクセスできるようになった。
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 画面の上から下に向かってスワイプすると、ショートカットのメニューと設定ボタンが表示される。メニューには、すべての通知を抑止する「Quiet Time」という新たなエントリが含まれている。このような機能に独自のボタンが必要だったのだろうか?また、「Mayday」というエントリもある。これについては後ほど解説したい。

 「Silk」ブラウザは、格好悪く、安っぽいアプリからようやく脱却し、頻繁にウェブを利用する筆者から見ても歓迎できる便利なツールになった。ページのロードは迅速であり、スワイプも快適だ。

 タップの精度も大幅に向上している。このことはリンクをタップする際だけでなく、タイプ入力の際に特に感じられる。筆者は、タッチスクリーンでのタイプ入力の際によく打ち間違いをしでかしていた。しかし、筆者がようやくタイピング上達の壁を乗り越えたのか、Amazonの技術者が入力機能を大幅に改善したかのいずれかのように思われる。おそらくは後者だろう。

 筆者はトラブルのないこのようなウェブエクスペリエンスを過大評価しているのかもしれない。実際これは、取り立てて素晴らしいエクスペリエンスというわけではない。しかし、以前のKindle Fireと比べると問題がほとんどなく、単に動作するというだけで、格別に素晴らしいことのように感じられる。

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Silkはようやく速度面で競争力のあるブラウザになり、Kindle Fire HDXの高精度タッチスクリーンのおかげで、かつてないほど快適なエクスペリエンスが実現されている。
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 Amazonは電子メールやカレンダーといった他のネイティブアプリの見直しに加えて、新たな連絡先アプリの追加も行っている。電子メールは再設計によって設定時の手順が削減されるとともに、やり取りされた内容がスレッドとして扱えるようになっている。つまり、やり取りされた各人の電子メールを1通ずつ読むのではなく、最後のやり取りからスレッドの最初のメールまで連続して読めるようになっている。

 カレンダーにも、インターフェースの効率化やエクスペリエンスの最大化を図るための細かな改善が数多く施されている。

 ストレージの管理はずっと簡単になり、各項目はタイプごとに整理され、その場での削除も可能だ。

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HDコンテンツを保存していると、16Gバイトはすぐに少ないと感じるようになる。しかしうれしいことに、Kindle Fire上のストレージの管理はこれ以上ないくらい簡単である。
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 こういった変更の大半はうまく機能しているものの、より多くのカスタマイズ機会が見過ごされている。サムスンは、「GALAXY Note 10.1」の2014年モデルにも搭載されている「TouchWiz UI」の最新バージョンへの改定で大きな成功を収めている。サムスン製品におけるショートカット群は、Amazon製品のそれとほぼ同様の振る舞いを見せるものの、左にスクロールできるため、多くのオプションを表示できるうえ、より多くの選択肢を追加するためのカスタマイズさえ可能となっている。

 この新OSの素晴らしさを語るうえで「Snapdragon 800」プロセッサについて触れないわけにはいかない。同プロセッサの採用によりAmazonはようやく、処理能力と、インターフェース上のオーバーヘッドとのバランスをちょうどよいものにすることに成功したのだ。インターフェースのさまざまな部分に即座にアクセスできるようになり、全体的に見てもストレスやイライラを覚える場面が少なくなっている。

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お気に入りの歌を一緒に歌ったり、聴いたりできる。何でも好きなことができるわけだ。
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 「X-Ray for Music」を使えばKindle Fire上でカラオケが楽しめる。いや、カラオケのようなものと言った方がいいかもしれない。つまり、Kindle Fireは再生中の楽曲の歌詞を画面に表示してくれるわけだ。歌詞は楽曲の再生時にタイミングを合わせて表示されるため、想像していたよりも楽しめる。こういった楽しみは、お気に入りの楽曲の実際の歌詞が分かるという面白さから来ているのかもしれない。

 またX-Rayでは、「シーンへのジャンプ」ボタンを使えば、お気に入りの映画やTV番組に関する情報を効率よく調べられる。

 筆者がKindle Fireのインターフェースでいつも感心するのは、コンテンツの並べ方である。他のOSのようにアプリのアイコンが何ページにもわたって羅列されるのではなく、各コンテンツのタイプに応じて専用のセクションに分類されるようになっている。Audiobooksをタップすると、ユーザーが所有しているオーディオブックすべてが表示され、Shopをタップするとコンテンツを簡単に追加できる。所有しているコンテンツが自動的に整理されるというのはとても快適だ。

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