2012年のConsumer Electronics Show(CES)では、そこかしこでタブレットが展示されていたものの、AppleやAmazonのタブレットが成功している2つの大きな理由を理解し、自らのものにしている製品はなかった。
2011年には、さまざまなAndroidタブレットが一斉に発売されたものの、それらは出だしから大きくつまずいている状態である。しかし、そのことを筆者が記事にしたところ、Googleを見限るには時期尚早だという意見が数多く寄せられた。詰まるところ、Androidスマートフォンの販売が大きく伸びたのも、市場に投入されて1年以上経ってからのことだったためだ。このため、とにかくもう少し様子を見てやってくれ、という声が大半を占めていたというわけだ。
しかしながら、Androidタブレットの抱える問題は、時間や成熟度といった観点から解決できるものではない。Googleと、そのパートナーであるハードウェアメーカーは勝負のしどころを間違えているうえ、そのことにまだ気付いていないのである。
(Googleに背中を押された)サムスンやASUSTeK Computer(ASUS)、東芝は高解像度カメラやUSBポート、HDMI端子、クアッドコアプロセッサ、キーボードドック、いくつかの周辺機器を用意しさえすれば、自社のタブレットがAppleのiPadよりも優位に立てると考えているようだ。彼らは真面目に「われわれのタブレットはiPadよりも多くの機能を搭載している」と主張しているように見えるのだ。
次の点を自問してみると、どこに問題があるのかが分かる。タブレットを用いてビデオ通話している人を見かけたことがどれだけあるだろうか?タブレットと50インチのHDテレビを接続し、HD映画を鑑賞したり、ゲームをプレイしている人をどれほど頻繁に見かけるだろうか?タブレットに外付けキーボードを接続するからといって、ノートPCを完全に捨て去った人が何人いるだろうか?
筆者はここ2年の間に販売されたトップクラスのタブレットをほぼすべて試用してきているが、上記のような使い方をしたことなどほとんどない。また、タブレットを所有している数多くの友人や同僚が、こういった使い方をしているという話もほとんど聞いたことがない。さらに、筆者は出張する機会が多いため、空港やカンファレンスでタブレットを使用している人を見かけることも多い。その際に、どのような使い方をしているのかを尋ねてみても、こういった使い方が返ってくることなどまずないのである。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」