ドコモ・ドットコムによる、モバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の最新号(Vol.7)より、O2O利用動向調査の一部をお届けする。
「Amazon」や「楽天」に代表されるECサービスの利用は、内容の充実ぶりや手軽さ、安心感の高まりなどから、増加の一途を辿っている。またフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進み、画面サイズが大きくなったことや、PCサービスにもアクセスしやすくなったことなどから、モバイルECサービスの利用も拡大傾向にある。
一方でその反動から、実店舗で買い物をするケースが減少している点が問題視されている。企業側は、如何にして実店舗へユーザーを誘導し、売上を確保するかといった手法を検討していると思われるが、その有効施策として注目されているのが「O2O」と呼ばれる、インターネットメディアから実店舗への誘導施策である。
「O2O」とは「オンライン・ツー・オフライン」の略称で、インターネットメディアにてセールなどのお得な情報や実店舗で利用できるクーポンなどを発行し、実店舗へ顧客誘導する、などといった施策のことである。代表的なものとしては下記の施策が挙げられる。
これらの施策がどの程度ユーザーに認知され、利用されているのかといった状況について、独自調査を実施した。この調査結果を基に、「O2O」サービスの利用実態について分析してみたい。
まず、前述の5タイプについてその利用経験を見ると、下記図1のような結果となった。
「デジタルクーポン」の利用経験率が高く、「よく利用している」「たまに利用している」を合わせると約半数を占める。性年代別に見ると、男性10代及び女性10~30代の利用傾向が高く、「ファーストフード店」「飲食店/レストラン」といった飲食系ジャンルに集中している。
各サービスの利用状況からもわかるが、「マクドナルド」などに代表されるディスカウントクーポンの高い浸透率がうかがえる(図2)。
「よく利用している」という利用頻度の高さを示す回答が最多だったのは、「来店ポイントサービス」であった。男性10代における利用の高さが目立つ同サービスだが、中でも「家電量販店」の利用が目立っている。「ヤマダ電機」などポイント配布に積極的な店舗が頻度高く利用されている模様である。
「デジタルチラシサービス」は、「来店ポイントサービス」と似た利用傾向を示したが、その内訳を見ると若干異なり、飲食系店舗、「ファッション/アパレル」「ドラッグストア」「家電量販店」「ホームセンター」など多岐に渡る利用が見られたのが特徴的である。
SNSや無料通話系サービスにおける「公式アカウントサービス配信」については、積極的とまではいかないものの、一定の利用傾向が感じられた。飲食系店舗や「コンビニエンスストア」など身近な店舗における利用の多さが特徴といえる。
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