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ネットとリアルを行き来する消費者の心を掴むには?

菅原太郎(D2C)2013年08月27日 15時47分
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 この連載では、企業でのアプリのプロモーション活用から、スマートフォン広告で重要な位置を占めるテクニカルな運用型広告、メディアやアプリ・マーケットなどの市場環境を含め、広告・マーケティング分野における“スマートフォンの今”をお伝えする。

スマホが変えた消費者の購買行動

 最近「オムニチャネル」という考え方がクローズアップされている。これは、オンラインとオフラインを問わず、あらゆる場所(チャネル)でシームレスに顧客との接点を持ち、どこで何を売るかではなく、誰にどのように買ってもらうかをマーケティング戦略の軸として考えることを指す。

 誰にどのように買ってもらうかを考えるにあたり、まずは消費者の購買行動を考えてみたい。消費者は、すでにスマートフォンやタブレットなどのワイヤレスデバイスを活用して買い物をしている。広告、記事、Twitter、Facebookなどのソーシャルメディア上の投稿から商品・サービスを知り、PCやスマートフォンでその商品・サービスのスペックや機能などを確認する。さらに、ソーシャルメディアの口コミ情報や比較サイトなどの情報を頼りに検討し、実店舗やECサイトで購入する。そして商品やサービスの体験をソーシャルメディア上に投稿し、再来店・再利用する。

 スマートフォン、ソーシャルメディアの普及により購買行動はどのように変化したのだろうか。消費者は店舗で食事をするにあたり口コミサイトで評判を確認し、少し遠くても評判の良い店舗で食事をする。また商品を購入する際には、店舗で実物を確認しながらスマートフォンで口コミ情報などを確認し、店舗ではなくECサイトで購入する。このように消費者はオンラインとオフラインをシームレスに横断している。

オンラインとオフラインのデータをどのように蓄積するか

 では、オフラインとオンラインのデータをどのように蓄積していけばいいのか。ここでは、オンラインとオフラインのユーザー行動を紐付けて把握するソリューションとして、ハウスカード会員証として利用できるスマートフォンアプリを例に挙げたい。アプリを通じて実店舗やECサイトの購買データ、会員属性などを紐付けることで、顧客データベースを統合管理できるというものだ。

 消費者にとっては、いつでもどこでも携帯しているスマートフォンを利用してカードレスで買い物ができる。またクライアントにとっては、年齢、性別、地域などのデモグラフィック属性と購買日、購買額、購買商品などのデータを統合して顧客をセグメントできるメリットがある。

 さらに企業は、セグメントした顧客別にロイヤリティを向上させるCRM施策を、効率的かつ効果的な運用につなげられる。具体的には、店頭で会員証アプリを顧客に提示してもらい、POSレジで読み込めるバーコードをスマートフォンの画面に表示させる。レジでバーコードをスキャンしてポイントや購買履歴をデータベースに蓄積する。

 また、店舗からECサイトへ誘引するOffline to Onlineの導線を設けることも可能だ。店舗に在庫がない場合、商品を検索してECで決済できるショールーミング機能をアプリに搭載することで、商機を逃さずに済む。商品タグにバーコード、2次元バーコードを貼り付け、会員証アプリからスキャンして店舗からECサイトへ誘導する手法だ。

 O2O施策では、Online to Offlineを中心に語られることが多いが、顧客にとっては店舗であれECサイトであれ、“お店”であることは変わりない。多くの顧客接点を設け、自由にチャネルを行き来してもらいながら、そのどこかで商品を購入してもらい、ブランドや店舗にロイヤリティを感じてもらう。そこが大切なのだ。

関連性が高くパーソナル化されたおもてなしを実現する

 では、どのような施策が必要なのだろうか。それは「ついつい来店してしまう」仕掛けである。そして来店したことが店舗、あるいはECでの購入に結びつくこと。またその体験が、店舗やブランドに対する共感を生むことが重要なのだ。

 たとえば、スマートフォンアプリに、ハウスカード会員証として利用できる機能、オンラインストアを閲覧できる機能、最新情報を配信する機能を実装する。これにより、実店舗で商品を購入した後に、ECサイトでお気に入りに登録した商品や、セットで購入する確率の高い商品をレコメンドして実店舗で店員がお勧めするといった、チャネルを横断したおもてなしが実現できる。

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