ビジネス拡大に必須のO2Oを始める基礎知識

菅原太郎(D2C)2013年08月12日 12時30分

 D2Cではスマートフォンを中心にPC、タブレットなどデジタル領域におけるマーケティング活動をワンストップで支援している。この連載では、企業でのアプリのプロモーション活用から、スマートフォン広告で重要な位置を占めるテクニカルな運用型広告、メディアやアプリ・マーケットなどの市場環境を含め、広告・マーケティング分野における“スマートフォンの今”をお伝えする。第1回は、ここ数年注目を集めている「O2O」の定義や運用におけるポイントなどを紹介しよう。

なぜ、今“O2O”なのか

 O2Oが求められる背景を考えるにあたり、まずはスマートフォンマーケティングについて少し振り返ってみたい。スマートフォンが発売された当初は、先行投資としてスマートフォンサイトやアプリを新規開発する案件が中心だった。スマートフォンに求められる役割は、機会損失を防ぎビジネスチャンスにつなげることだと考えられていたからだ。

 しかし近年、スマートフォンやタブレットが急速に普及し、ワイヤレスデバイスを活用したマーケティングは実験段階から実用段階へと移行した。各社が知識やノウハウを蓄積するにつれて、スマートフォンマーケティングにおける勝ちパターンを構築している。そんな中、ゼネラルマーチャンダイズストア(総合スーパー)、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、アパレル、外食などを中心にスマートフォンを活用し、売上につなげる事例が登場している。

 これにともない、スマートフォンに求められる役割は変化しており、D2Cでも実店舗、ECサイトを問わず、スマートフォンを活用して売れる仕組みを構築したいと相談されることが増えている。これまで以上に成果を求められる中、クライアントのニーズや課題をヒアリングしていると、O2Oが求められているケースは少なくない。

オンラインとオフラインが融合する新しいマーケティング

 では、ここであらためてO2Oとは何かを考えてみたい。O2Oは「Online to Offline」なのか、それとも「Offline to Online」なのか。D2Cとしては両方であると考えている。つまりO2Oには、オンラインから店舗などオフラインへ送客するOnline to Offline、そしてオフラインからECサイトなどオンラインへ送客するOffline to Onlineがある。さらにテレビCM、ラジオCM、雑誌広告、新聞広告などオフラインからオンラインへ誘導し、オンラインから店舗へ送客するO2O2O(Offline to Online to Offline)という考え方もある。

 O2O、O2O2Oのどちらでも実現できることは大きく2つある。ひとつはマス施策、デジタル施策、リアル店舗までシームレスに連携させること。これによりマーケティング上の戦略、施策を首尾一貫して実行できるようになる。もうひとつは、オフラインも含めた施策管理をすること。顧客の拡大・ロイヤル化が実現できるほか、顧客セグメントごとにCRM(Customer Relationship Management)を行っていくことで、精緻なPDCA(Plan・Do・Check・Action)が可能になる。

 つまりO2Oとは、オンラインとオフラインのユーザー行動を紐付けて把握し、マーケティングに活用することであると考える。O2Oを実施するにあたっては、以下の3つのステップが必要となる。

  1. ユーザーの登録(レジストレーション)=共通キーの発行
  2. コンバージョンポイントでの認証(オーセンティケーション)
  3. ネクストアクションのための行動分析(トラッキング)

店舗での効率的・効果的な運用が必要不可欠

 またO2Oをプラットフォームとして運用する上で、店舗での効率的・効果的な運用が必要不可欠であり、店員にまったく手間をかけない運用が理想的といえる。ただし、認識技術を活用するには店舗でのインフラ投資が必要になるため、コストとの兼ね合いも考慮した運用フロー策定がポイントとなる。

 顧客が来店したかどうかを認証する仕組みを店舗に導入することで、店舗スタッフの業務負荷の軽減を図る。また来店認証システムを導入するにあたり、店舗オペレーション教育、そして組織改編まで必要になる場合がある。まずはテストマーケティングから開始し、キャンペーン検証から改善ポイントを洗い出し、次回施策へ反映するケースが少なくない。

 O2OはOnline to Offlineなのか、それともOffline to Onlineなのか、どちらでランディングし、どちらでコンバージョンするか、ということは重要ではない。近年、スマートフォンやソーシャルメディアの普及により、店舗でクロージングする場合も、ECサイトでクロージングする場合もありえるのだ。また双方の相乗効果によって売上は最大化する。

 消費者側、クライアント側、どちらから考えた場合でも、オンラインまたはオフラインのどちらかを部分最適するのではなく、オンラインとオフラインを融合して全体を最適化することが求められる。それには、マス施策、デジタル施策、リアル店舗までをシームレスに連携して設計できる知識やノウハウ、スキルが求められる。

技術をいかにして生活者に感じさせないかがポイント

 O2Oサービスでは、AR技術、加速度センサー、タッチパネル技術、音声認識技術など、さまざまな技術を活用した来店ポイントサービスやデジタルインセンティブなどが提供されている。しかし、利用方法が生活者にとって分かりにくいものであったり、店員のオペレーションに手間がかかってしまっているケースも見受けられる。

 「スマートフォンをマーケティングに活用しよう」と考えた際に、新しいデバイスであるため、その機能面や技術的な面を意識しがちだが、顧客が求めるものは、楽しさ、新鮮な体験や感動、メリットなどであり、「最先端の技術」ではない。つまり、生活者にいかにして技術的側面を意識させずに利用してもらえるかが重要になるのだ。

 次回は、D2CがO2Oに取り組む中で培ってきた知識、ノウハウをもとにO2O戦略を成功させるポイントを紹介していく。

【次回】
マーケターが押さえておきたいO2O戦略を成功させるコツ

 (執筆:D2C 営業本部 ソリューション部 マーケティングプランナー 菅原太郎)

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