大朝氏:medibaでは2011年8月にノボットを子会社化してスマートフォン向けの広告インプレッションを作ることに成功しましたが、アドテクノロジーについては“突き抜ける”ということができていませんでした。
特に、マルチデバイスについては広告配信のトレンドとなっており、ユーザー傾向をDMPに体系立てて蓄積して戦略的に取り組むことは課題でもありました。KDDIの3M戦略(重視するマルチデバイス、マルチネットワーク、マルチユースの頭文字をとった、同社の戦略)と合致した注力領域でもあります。
auスマートパスなどKDDIグループ内外のメディアをmedibaが活用し、そこにスケールアウトが参加することで、ユーザーに快適な情報を提供することはもちろん、O2O領域での送客なども狙うことができるようになるわけです。
山崎氏:これまでのアドテクノロジー業界の歴史は、広告取引方法の変遷の歴史でした。今後はこの取引形態がRTB(リアルタイムビッディング)というリアルタイム取引に移行してゆくことが考えられています。
つまり、取引により多くのデータを活用できる企業が業界勢力図の中心になってくるのではないでしょうか。ちょうど最近、海外の巨大代理店2社(米オムニコムグループと仏ピュブリシスグループ)の合併がありましたが、これも仕組みを統一し、より多くのデータを保持、活用するための戦略です。
同様に、KDDIとmediba、スケールアウトという連合になれば、より多くのデータを保持、活用することが可能となり、最先端の広告取引が実現するのです。
山崎氏:3M戦略にスケールアウトのアドテクノロジーが加わることで、今までよりも最適な人に、最適なタイミングで、最適なデバイスを通して、最適な広告を提供できるようになります。これは将来、テレビや屋外広告まで範囲が広がることが予想されます。
最適化によって、広告が「お勧めのコンテンツ」へと変化すれば、エンドユーザーにとって広告は「邪魔なもの」「意識するもの」ではなく、「自然なもの」になっていくのではないでしょうか。
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