アドビシステムズは、イベント「Adobe Digital Marketing Forum 2013」を開催した。マーケティング担当者を中心に1500人以上が来場した。
同社はこれまで個々に提供していきたデジタルマーケティングのための各ツールを「Adobe Marketing Cloud」として統合したサービスとして提供する。米本社の担当バイスプレジデントは「Marketing Cloudは、マーケティング担当者が物事を判断する時間単位を、これまでの分単位から、秒単位へと変える。マーケティング担当者の業務を再創造するものだ」と訴えた。
講演の冒頭に登場したアドビシステムズ代表取締役社長のCraig Tegel氏は「私が日本法人に着任し5年となるが、お客様と話すテーマが、この5年間で大きく変化した。5年前はクリエイティビティとコンテンツの話に終始していたが、最近ではデジタルマーケティングをどう行っていくべきかというテーマでお話することが多い。アドビ自身も3年前からデジタルマーケティングに取り組み、買収によってマーケティング活動のリーダーとなるようなサービスを提供するに至った」と同社自身の変化について言及した。
そしてデジタルマーケティングには(1)どこでも、お客様の心をつかむ、(2)高度な技術を採用する、(3)点と点をつなぐ――という3つの命題が存在すると説明した。
「どこでも、お客様の心をつかむ」という命題は、従来はウェブサイトだったデジタルマーケティングのためのプラットフォームが、スマートフォンやタブレットといった端末の多様化で大きく変化していることに着目。その変化によって顧客と接する時間軸も変貌していることを挙げた。
「高度な技術を採用する」は、過去のレポートから必要な答えを導き出すだけでは顧客の要望に対応ができなくなっている現状を踏まえ、リアルタイムで顧客動向の変化をとらえ、未来を予測する必要があると指摘。それに対応するためには、直感に頼ったマーケティング活動ではなく、マシンや数学を用いた高度な技術が必要だとした。
「点と点をつなぐ」は、ウェブ担当やSNS担当などマーケティングを担当する組織が別組織であることが多いことに着目。顧客の声に応えるためには、縦割りの組織を壊していく改革を行う必要があると訴えた。
「お客様の声を見いだすことで、それに応じた組織、仕事を改めて見出すことが必要な時代となっている。アドビはその際、信頼できるパートナーでありたい」(Tegel氏)
続けて、米Adobe Systems デジタルマーケティング プロダクトマネージメント担当バイスプレジデントであるBill Ingram氏が登場。今回の講演の出席者の肩書きが分析担当者、オンライン担当者、ウェブアナリスト、デジタルメディア担当役員など多岐にわたっていることを紹介し、デジタルマーケティングに携わる人を取り巻く組織が多様であることを「興味深い」と話した。
「デジタル体験が大きく変化していることで今日、講演を行ってくれる人も、講演を聞きにきた皆さんも同じような課題を抱えている。その答えはツイートを分析するだけで解決することでもなく、今日のイベントに参加したから即見つかるというものではない」(Ingram氏)
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