米Adobe Systemsは3月6日から8日までユタ州ソルトレイクシティで開催した年次イベント「Adobe Summit 2013-The Digital Marketing Conference」に合わせ、デジタルマーケティングに関するさまざまな製品のアップグレードを発表した。
Photoshopをはじめとしたクリエイティブ製品と、アクセス解析をはじめとするデジタルマーケティング製品の組み合わせによって企業のブランド力向上を支援していくという戦略の下、ウェブ解析、ソーシャル、コンテンツ管理、ターゲティングなどの製品強化により、企業のデジタルマーケティング施策を支援する。
デジタルマーケティングソリューション「Marketing Cloud」を構成する機能の1つである「Experience Manager」に、新たにデジタルアセット管理機能「Digital Asset Management(DAM)」を追加する。DAMはマーケティングとクリエイティブの両分野の専門家を対象として強化されており、複数のワークフローを連結するとともに、画像、ビデオなどのコンテンツのプランニング、制作、検索、グローバルな配信の効率を高められる。
また、マスターとなる資産を単一に管理することで、ウェブ、モバイル、ソーシャルなどの環境を問わず、ユーザーがリッチな体験をできるようにした。
もう1つ、Marketing Cloudの一部であるウェブコンテンツ管理機能「Experience Manager」のメジャーアップデートも発表した。DAMと合わせ、ウェブ、モバイル端末、ソーシャル、ビデオでのパーソナライズされたウェブ体験ができるようにする。
Experience Managerは、Marketing Cloudの他のソフトウェアを統合することで、Webコンテンツ管理の「CQ」と、リッチメディア配信の「Scene7」の両機能をMarketing Cloudで提供する。これにより、クラウド上やオンプレミス環境でタッチ対応アプリケーションを展開し、企業による購買体験の構築、ブランドロイヤルティ形成を支援する。
関連して、AdobeはMarketing Cloudに含まれる5つの製品それぞれに、新しいモバイルマーケティング機能を追加した。これにより分析、ソーシャルアプリケーションの開発、スマートフォンやタブレットを対象としたコンテンツのターゲティング、広告、モバイルコンテンツの管理と配信に新しいモバイル機能を利用できるようにした。
分析機能であるAnalyticsでは具体的に、マーケティング部門による新規や既存のモバイルユーザーの行動の理解を支援するため、アプリケーションのユーザー情報の取得、エンゲージメント、維持、およびパフォーマンス指標を視覚的に利用できるようにしている。
また、モバイルアプリケーションアナリティクスのレポート機能を追加した。新たにDistimoが持つ技術を取り入れたことで、Analyticsのユーザーは、アプリケーションストア関連のダウンロード数、ランキング、売上高などのデータを取得できる。ユーザーが最初にアプリをダウンロードしてから課金に至るまでの自社とのつながりをより深く理解できるようになるとしている。
iPadなどのタブレット端末で、解析したウェブ関連データなどを参照しやすくするため、Marketing Cloud向けにタッチベースの新たなユーザーインターフェイス(UI)を開発し、発表した。企業でのタブレット端末の利用が一般化してきており、オフィスのデスク以外でも業務の効率性向上が求められていることに対応したという。
共有ダイアログ機能を使うことにより、Marketing Cloudに属する機能を横断してコンテンツやデータを「カード」として共有できる「Marketing Cloud Cards」も提供する。カードにコメントできるため、キャンペーンに関わる全員が同じ情報を共有できるとしている。
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