ICT総研は5月30日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)利用動向に関する調査結果を発表した。国内のSNS利用者数は、ネットユーザー9556万人(2012年12月末時点)の52%にあたる4965万人だった。2012年の年間純増者数は676万人で、平均すると1カ月でおよそ56万人が増加している計算になる。
重複登録分も含めた登録総数は、2012年末で2億2000万件を超え、SNS利用者1人あたり平均で4.5件のSNSに登録していることがわかった。今後はSNS利用者の年齢層が拡大し、登録者数と利用者数はともに増加が見込まれることから、3年後の2015年末には利用者数が6321万人、ネットユーザー全体に占める利用率は65.3%に達する見通しだ。
ICT総研が5月に実施したアンケート調査では、1万2000人のアンケート対象者のうち、約55%が何らかのSNSやメッセージングアプリを利用していると回答した。全回答者の中で最も利用率が高かったのはFacebookで34%、次いでLINEが27%、Twitterが26%、mixiが22%、Skypeが16%。これをスマートフォンユーザーに限定すると、LINEの利用率が54%でトップ、Facebookが47%、Twitterが35%、mixiが29%、Skypeが22%となった。
PCネットのユーザーを中心に普及してきたFacebookやTwitterと、スマホのユーザーを中心に利用されているLINEの違いが現れた形だが、FacebookやTwitter、mixi、Skypeも近年スマホ対応アプリに注力しており、スマホの普及とともに利用者を増やすとみられる。LINEと同様のサービスを展開するカカオトークやDeNAのcommも、スマホユーザーに特化したサービスを展開することで徐々に利用者を増やしている。
SNSやメッセージングアプリユーザーの利用者満足度を「サービス内容・品質」「使いやすさ・わかりやすさ」「料金(コストパフォーマンス)」「セキュリティ」の4項目で質問したところ、その平均値である総合満足度ではSkypeが最も高く75.9ポイント、次いでLINEが74.6ポイントとなった。3位はカカオトークで71.8ポイント、4位はTwitterで71.2ポイント、5位はGoogle+で69.8ポイント、以下、comm、mixi、Facebookと続く。
Skypeは「料金」「セキュリティ」の2項目における満足度が非常に高く、総合満足度で1位となった。LINEは「サービス内容」「使いやすさ」「料金」の3項目では高い評価が得られたが、「セキュリティ」に関する満足度が低く総合満足度では2位となった。Facebookは「料金」の評価はまずまずだったが、そのほかの項目の満足度が全般的に平均値を下回り、特に「セキュリティ」の評価が低かったことが影響した。また、mixiも全ての項目が平均値を下回った。
SNSの利用頻度では、比較的利用頻度の高いサービスはLINE、Facebook、Twitterで、逆に利用頻度の低いものはSkype、Google+、mixiだった。「ほぼ毎日」と「1週間に数回」を合わせた比率を見ると、LINE利用者が81%、Facebook利用者が74%、Twitter利用者が62%となり、LINE利用者の54%が「ほぼ毎日」利用すると回答した。
SNSやメッセージングアプリの利用者がサービスに対して持っている印象について、「無料で利用できる」と回答したユーザーは75%だった。また、コミュニケーション時の利便性を評価するユーザーも多かった。
一方で、その弊害や課題を指摘するユーザーも目立つ。「実名やプライバシーの流出が不安」と回答したユーザーは29%、「交流したくない人との連絡がつらい」という回答も20%に達した。
調査は、関連企業への取材やウェブアンケート調査、各種公開資料の分析などをまとめた。
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