米ヤフーによるTumblr買収--統合効果を見極めるための7つのポイント - (page 3)

Dan Farber (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年05月23日 07時30分

売り上げ拡大の加速

 Tumblrの2012年の売上高は1300万ドルだったが、2013年は約1億ドルを見込んでおり、その大半は「ネイティブ」広告によってもたらされるものだという。ネイティブ広告とは、ユーザーのコンテンツストリームに表示される宣伝投稿だ。しかし、Quantcastの試算では、Tumblrユーザーの66%は収入が5万ドル以下となっている。Tumblrユーザーの大半が18~34歳であることを考えれば意外なことではないが、それが理由で、高級車などの高額商品の広告主はあまり魅力を感じないかもしれない。

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 Mayer氏はTumblr買収の発表後、アナリストとの電話会議で、Yahooは革新的な方法でYahooとTumblrをまたいで広告を統合することになると述べた。「Tumblrには、収益化できる部分や、ユーザー体験に追加できる部分が多い」と同氏は言う。また、YahooはTumblrブロガーに(許可を得た上で)広告を配信することもできる。

 これまでのTumblrは(映画「ソーシャル・ネットワーク」で描かれた)初期のFacebookのようだったとMayer氏は指摘する。広告が何なのかを正確に理解していないので、広告に注力してこなかったという。「今のTumblrは広告が何かを理解しており、上品な方法で収益化する方法を知っている。マーケッターの多くがTumblrプラットフォームへの参加を切望している。われわれは既存の売り上げを再分配するのではなく、新たな売り上げを得るだろう」(Mayer氏)

 Mayer氏は、一部の広告主がTumblrの際どいコンテンツに懸念を抱くという問題に言及した。「Tumblrの豊かさと多様性は、ブランドにとって安全でないとしても、本当に刺激的なものだ。われわれの成長を測る物差しの1つに、トラフィックとユーザーがある。そうしたコンテンツは、トラフィックとユーザーの獲得に大いに貢献する。ブランドの安全性の問題に対処するため、優れたターゲット広告配信ツールが必要だ」(Mayer氏)

 Mayer氏は、Tumblrの500億件の投稿はYahooのサイトやウェブ検索とシームレスに統合できる可能性があり、トラフィックと検索の売上高を押し上げると述べた。

利益の拡大

 Tumblrはこの1年で四半期売上高を数%増やし、利益は少し減少するかもしれないが、ユーザー増加率を維持して売上高拡大のペースを加速させ続けない限り、大きな変化を引き起こすには不十分だ。真の利益はTumblrがターゲット広告の拡大と改善を行ったときにやって来るだろう。Yahooのテクノロジがその成長を助けることができる。

 Mayer氏は同社を一から立て直しているのではなく、Google的な手法から生まれた新しい精神を吹き込んでいる。このことはTumblrの175人の従業員に受け入れられるはずだ。蜜月期と株式ロックアップ解除の後に、両社の統合がMayer氏の偉業となるのか、それとも愚行と見なされるのかが明らかになるだろう。しかし、より若く、クールで、機動力があり、モバイル機能を強化したYahooというMayer氏のビジョンに、Tumblrがぴったり当てはまっていることは間違いない。

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提供:CNET screenshot

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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