Mayer氏はCEOに就任して以来、Yahooは「モバイル第一」の企業になる必要があると強調してきた。同氏は、Yahooがモバイル分野に「他社にはない適性」を有しており、電子メール、天気、ニュース、株価情報、スポーツのスコア、動画、写真など、モバイルユーザーにとって必須であるすべての主要アクティビティのアプリを持つと言う。
同社はさらに、2012年には2億5000万人だったYahooのモバイルユーザーベースが2013年第1四半期終了時点で3億人まで拡大したことも明らかにした。
TumblrのバイスプレジデントであるDerek Gottfrid氏は先ごろ、同社のモバイルユーザー数がこの6カ月で4倍に増加し、現在ではコンピュータから同サイトにアクセスする人の数に匹敵するまでになったことを明かした。
「Tumblrはモバイルでの機能という点でYahooの先を行っている。Yahooはそのペースに追いつこうとしてきた」(Mayer氏)
ユーザー層はTumblrの方が若く、モバイルでの利用も急激に増加している。それらの若いユーザー層は、Mayer氏がYahooアプリをユーザーにもっと大きな「喜び」と「感激」をもたらすものにするという約束を実行に移せば、Yahooアプリをもっと利用しようという気になるかもしれない。
Yahooは高齢化の問題を抱えている。ウェブの黎明期から存在しているが、検索やソーシャル、GoogleのYouTubeのようなユーザー生成コンテンツなどの分野で、競合に後れを取ってきた。Yahooユーザーは高齢化しているため、Tumblrユーザーの50%以上が18~34歳の層に属しているとするQuantcastの推計は、Yahooにとってプラスの要素だ。
Yahooはソーシャル革命に乗り遅れたが、FacebookやTwitterと友好的な関係を維持しており、それらのサービスをさまざまな方法で統合してきた。例えばTwitterは現在、ユーザーの好みと興味に基づいてフィルタリングされたツイートを、ウェブ版やモバイルデバイス版のYahooホームページのニュースフィードに表示している。
YahooはTumblrを手に入れたことで、より直接的にソーシャル分野に関わるようになる。1日当たり約7500万件のブログ投稿が生成される(Tumblrの集計)同ネットワークは、Yahooのほかのサービスに組み込むことも可能だ。Mayer氏によれば、パーソナライズされたYahooホームページなどのサービスが、ソーシャルシグナルに由来するTumblrコンテンツに合わせて調整され、Yahooの検索はTumblrからの関連する結果を表示するようになるという。
Mayer氏は「Yahooの事業の中核はコンテンツをパーソナライズすることだ」と述べる。例えば、同社のホームページは無数のバージョンが存在し、Yahooが持つ訪問者についての情報によって表示内容が変わる。ページをさらにパーソナライズすることで、正確なターゲット広告の配信に必要なデータを多く得られ、料金と売上高の増加につながる。
TumblrはYahooに多くの新しいデータをもたらす。Yahooは許可を得た上でそれらのデータを利用し、同サイトのあらゆるところで、よりパーソナライズされた体験とターゲット広告を作り出すことができる。Tumblrのブログ投稿とリブログのリアルタイムストリームにアクセスできるGnipによると、Tumblrでは日々、約6000万件の写真アクティビティ、770万件のテキストアクティビティ、70万件の動画アクティビティ、56万件のチャットアクティビティが発生しているという。
Mayer氏は、TumblrのコンテンツはYahooのページとメディア体験に統合され、Yahooのパーソナライゼーションインフラストラクチャを活用すると述べた。例えば、ファッションに関するTumblr投稿がYahooユーザーのプロフィールと合致する場合、そのユーザーのパーソナライズされたニュースフィードに表示することも可能だ。Mayer氏は、TumblrとYahooの連携にはコンテンツ面で一定のメリットがあると指摘する。例えば、Yahooはスポーツ、ニュース、ファイナンスに強く、Tumblrは食べ物、ファッション、アート、建築などの分野に強い。
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