フラッシュマーケティング(ネット上で期間限定の割引きクーポンなどを販売する手法)はあっという間に消えてしまいましたが、それに置き換わるようにO2Oが出てきました。店舗にいる人がどうやってネットをビジネスに活用するかというと基本は集客ツールに使いたい。その要望がなくならず、これまでは解決できなかったことを何らかの形で解決しようという動きがあるのだと思います。
ただし、O2Oが本当にうまくいっているのかというと、いまはまだマッチングができていないと思います。いわゆる広告では基本的には企業と消費者が1 対 nでビジネスが成立していました。一方のO2Oは、常に移動している消費者と小さなお店をつなげようとするモデルです。これは、ものすごい桁数同士のnをマッチングさせることなので、個々のサイズが小さすぎて実際にビジネスとして成立するかということが課題といえます。そこを技術で乗り越えていかなければ、ロケーションベースでの収益化は難しいのかなと思います。
これは雑誌などで使われてきた手法ですが、たとえば自転車を紹介したい場合に、ビジネスパーソン向けには「年収○○○円の人はこうやって活用する」といった内容で紹介する。一方で、健康雑誌だと「痩せるためにはこうやって乗ろう」みたいな内容になります。ひとつの商品でもターゲットによって切り口を変えるということですね。
ウェブの世界も同じで、これまでのようにPCマーケティングはこう、モバイルマーケティングはこうとデバイスごとに切るのではなく、FacebookやLINE、GREEなど、プラットフォームをそれぞれ1つの雑誌のように見立てて、企業との接点を常に探る必要があるのだと思います。たとえば、ヤクルト(乳酸菌飲料)であればmixiの健康に関連したコミュニティと接点があるかもしれませんね。
先ほども述べましたが、今年度も変化が続く年だと思っています。引き続きフィーチャーフォンが減ってスマートフォンは増えていくと思いますが、時計やメガネなど、ネットへアクセスできるデバイスも増えるため、しばらくは安定しないでしょう。
また、現在はカーナビが普及していますが、社会通念上カーナビ上に広告は表示されませんよね。ではメガネ型のデバイスでは表示していいのかという問題もあります。デバイスをまたいでサービスを提供するにはサービスごとにカスタマイズしなければなりませんが、これは広告についても同じです。
今後はさまざまなデバイスからネットにアクセスするようになる中で、この人はどのデバイスでどのタイミングでサービスを使っている、だからこの広告を見せるといった、個々のユーザーを起点にしたマーケティングモデルに向かう必要があるのだと思います。
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