本体の性能を前面に--パナソニックの空気清浄機の売り方 - (page 2)

 集塵フィルタでは、中国・北京で約15カ月間使用したものと、日本国内で18カ月使用したものとを比較し、大きな粒子を集塵する外のフィルタを通り抜けて、細かい粒子が詰まっていることを示しながら、「日本で使用したフィルタに比べて、中国で使用したフィルタでは、内部にまで細かい粒子が付着しているのがわかる。また、国内ブロガーのモニタ利用を通じて、毎日掃除をしている部屋でもかなりの汚れが部屋にあり、微小粒子は前面フィルタを通過することもある。ブロガーによるモニターレポートは、4月末まで続け、フィルタ性能の高さも訴求する」(パナソニック日本地域コンシューマーマーケティング部門コンシューマーマーケティングジャパン本部コミュニケーショングループ宣伝企画チーム主事の木村知世氏)という。

 本体性能の訴求に加え、フィルタ性能でも独自の視点で訴求するパナソニックならではのマーケティング施策が功を奏しているようだ。


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  • 中国国内で15カ月間使われたフィルタ(右)と日本国内で18カ月使われたフィルタ。右側は、内部不織布フィルタが真っ黒なのがわかる

 そのほかにもパナソニックでは、同社ならではの特徴を量販店店頭などで強力に訴求する。

 前面パネルを稼働させ、下から強力に吸いこむことができる仕組みにより、床上30cmに溜まりやすいハウスダストや花粉などを集塵。「床上30cmは、子供やペットの生活空間であり、この空間のハウスダストを集塵することは大きな意味がある。今年の製品から、独自のツインルーバーを採用したことで大きな気流を作ることができ、吸引スピードを従来比1.5倍に高めることにも成功している」という。

 加えて、センシング機能で部屋にある煙やニオイ、ハウスダストを検出。それぞれの集塵に適した気流を作るといったことも可能になっている。

 また、奥行24.5cmという薄型デザインに加えて、空気清浄機設置時の壁の汚れなどを気にすることなく、壁際1cmに置くことができるため、場所を取らないというメリットがある。

 さらに、加湿空気清浄機では、加湿フィルタをスポンジ状の素材とすることで、水で押し洗いが可能になり、カルキ成分を除去するための漬けおき洗いを不要としたのも大きな特徴。「毎月1度の加湿フィルタのお手入れが手軽にできる」というのは、利用者にとっては大きなメリットだ。

 「PM2.5に加えて、飛散量が前年比1.5倍といわれる花粉が、4月まで続くことになる。4月はスピード集塵の強みにより、花粉対策での効果を訴求していく」(鹿窪氏)

 5月以降は空気清浄機の売れ行きは一段落することになる。4月は空気清浄機メーカーにとって、最初のラストスパートをかける期間になるともいえそうだ。

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