Googleの「Android」を搭載したサムスン製スマートフォンの次期主力モデルが発表される日のわずか1日前、Appleのマーケティング担当幹部が先制攻撃を仕掛けた。
Appleのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるPhil Schiller氏は米国時間3月13日の午後、The Wall Street Journal(WSJ)との短いインタビューのなかで、Googleのスマートフォンプラットフォームについて、断片化されており、使いにくいものだと批判し、Androidを搭載した携帯電話は通信キャリアによってエントリレベルのデバイスとして無償で提供されるのが一般的だと示唆した。
同氏はWSJに対して「Androidデバイスは箱から出した後、最大で9つにものぼるさまざまなベンダーのアカウントを登録しなければ、『iOS』デバイスであらかじめ提供されるエクスペリエンスを手にすることができない」と述べたうえで、「Androidではすべてがシームレスに動作するわけではない」と述べた。
またSchiller氏は、Appleの内部調査により、2012年第4四半期にAndroidからiOSへと乗り換えたユーザーの数は、iOSからAndroidに乗り換えたユーザーの数の4倍だったことが明らかになっているとも述べた。
今回の発言は、7日に同氏がTwitter上で、GoogleのAndroidを標的とするマルウェアがはびこっていることを指摘したセキュリティ会社F-Secureによるレポートへのリンクを示し、珍しく辛口のツイートを行った数日後に出てきたものである。同氏は「そちら(Android)側にいる人は気を付けて」とツイートしていた。また、同氏はインタビューで品質についても焦点を当て、Android製品は「しばしばフィーチャーフォンに対する無償の代替として提供されるが、そのエクスペリエンスはiPhoneには及ばない」と述べた。
Appleの最大のライバルであり、同社が以前から法廷闘争を繰り広げているサムスンは、14日の晩にニューヨークでプレスカンファレンスを開催し、同社の「GALAXY S」スマートフォンの第4世代を発表する予定だ。調査会社Strategy Analyticsによると、サムスンは同シリーズのスマートフォンや、その他の製品で人気を集めたことで、米国では2008年以降、携帯電話ベンダーとしてトップの座に君臨してきた。Appleは2012年第4四半期に、「iPhone 4S」と「iPhone 5」をあわせた販売により、サムスンから初めてこの座を奪っている。
Schiller氏をはじめとするAppleの幹部らはめったにインタビューに応じない。Appleの広報のほとんどは、同社の製品発表時や、四半期決算発表後に行われる電話会議において金融アナリストらに対してなされている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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