2013年は検索結果ページを開放--ヤフー、社外との提携を拡大へ - (page 2)

岩本有平 (編集部)2013年02月07日 14時13分

2013年は検索ページを外部に開放

 ここから、同社の各カンパニー長が、それぞれの事業の状況、今後の方向性を説明した。ポータルやメディア事業をとりまとめるメディアサービスカンパニー長でもある川邊氏によると、Yahoo! JAPANのページビューはデイリーで約23億6500万。2012年にはこの巨大ポータルのトップページのコンテントラインを提携先であるクックパッドや食べログといったサービスに開放した。

 この取り組みを、2013年には検索結果画面に広げるという。同社の検索エンジンは2010年よりGoogleのものを採用しているため、Googleの検索結果とほとんど差がない状況だ。そこで、検索結果の上部に表示されるコンテンツについて強化し、「ヤフーのサービスだけでやるのでなく、みなさんのお力を借りてより良くしていきたい。満席空席といった情報、評判やファクトなど、こういったものはネット上のいろいろなサイトで提供されている。ここで生まれるビジネスをシェアしていきたい」(川邊氏)と語った。

 また、広告関連事業をとりまとめるマーケティングソリューションカンパニー カンパニー長の志立正嗣氏は、(1)スマートデバイスでの成長メディア(2)広告プロダクトでの連携パートナー(3)O2O・ビジネス向けクラウドサービス領域での共同パートナー(4)広告主であるYahoo! JAPANとチャレンジをともにできるパートナー――を求めているとした。

 コマースやゲームといったサービスを提供するコンシューマ事業カンパニーの事業推進本部長の秀誠氏は、(1)コマースAPIを利用したスマートフォン向けECサービス(2)ゲームの共同開発、運営(3)月額会員制の新事業、新サービス(3)その他の新事業――の4分野での連携を検討しているとした。

 カカオトークやYahoo!メール、ポイントサービス、先日サイバーエージェントから事業を譲受したCyber Agent FXなどの事業をとりまとめるセントラルサービスカンパニーのカンパニー長である谷田智昭氏は、同カンパニーについて「インターネットの入り口(メールやメッセージングサービス)、出口(決済サービスなど)、お客様の大切な情報を扱っている。そのアセットを使ってよりインターネットを使ってもらい、消費や投資をしてもらえるサービスを皆さんと一緒に考えていきたい」(谷田氏)とした。

 なお今回の説明会の参加者は、3月20日までに専用のフォームから申込んだ後、ヤフーの各サービス担当者からの連絡を受けた者のみが商談を行うことになるという。


YJキャピタル取締役COOの小澤隆生氏

YJキャピタルは「ヤフーのビジネスを壊すベンチャー」も募集

 また、YJキャピタル取締役COOの小澤隆生氏からは、YJキャピタルの投資活動について説明がなされた。設立当時の2012年9月、10億円のファンドを組成していた同社だが、2月にそのファンド規模を30億円に拡大した。「積極的に投資させて頂きたい。必要があれば増額もありえる」(小澤氏)

 また、YJキャピタルの役割について、「(ヤフー本体は)爆速だが、それなりに意思決定に時間がかかる。YJキャピタルは3人の(投資委員会での)意思決定で投資できる」と説明。また、事業シナジーを重要視するヤフー本体での投資と比較すると、「今のヤフーのビジネスを壊すようなものでも」(小澤氏)新しい事業に投資していくという。

 さらに、優秀なスタートアップに対しては株式5%以下、1000万円以下といったマイノリティ投資も実施し、将来に向けて関係を構築するという。投資先が成長した際には、株式をヤフー本体に付け替えるなどして、より近い位置での協業の可能性も検討するという。これまで属人的になっていた投資プロセスも、ウェブ上にフォームを設けて、審査プロセスを明確化していく。

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