調査会社Gartnerは、第4四半期における世界全体でのPC販売の落ち込みは推定値で4.9%となり、市場の変化を物語っていると述べた。
Gartnerによると、第4四半期の全世界のPC出荷は推定値で4.9%減少したという。販売総数は9030万台だったが、消費者の嗜好とぜい弱な経済状況という2つの変化により、タブレット人気に押されてPCがふるわず、PCメーカーにとって喜べない結果となった。
Gartnerの主任アナリストMikako Kitagawa氏は次のように語った。
「タブレットはPCのデバイス勢力図を大きく変えた。これは、タブレットがPC販売に食い込んでいるのではなく、PCユーザーが古いPCを買い換えるよりもタブレットを購入するように消費パターンを変えているためだ。この変化は、2012年に競争力のある低価格のタブレットが登場したことがきっかけであり、PCのインストールベースが落ち込んでタブレットが最も売れるデバイスとして定着するまで続くだろう」
消費者がクリスマスに新しいPCを熱望しなかっただけでなく、低価格のタブレットが大量に登場してホリデーシーズンに「必ず手に入れたい」デバイスとしての地位をPCから奪い取ったとGartnerは述べている。低価格のノートブックもいくつか提供されていたが、PCベンダーのクリスマス商戦にはほとんど貢献しなかった。
一方、Kitagawa氏は「ベンダーにとってのプラス面は、精細を欠くのは低スペックのPCであり、PCの平均販売価格は上昇するものとみられることだ。ユーザーは単なる消費ではなく、より高度なアプリを動かすマシンとしてPCを買い換えるからだ」と述べている。
多くの人々は「Windows 8」がPC販売に大きな影響を与えるかどうかに注目していた。Windows 8は第4四半期にPC市場を活性化できかなったとGartnerは述べ、その主な理由として、PCベンダーの製品の「精細を欠いたフォームファクタ」や、タブレットのタッチ操作のような「わくわく感がない」ことを挙げている。
Gartnerによると、Hewlett-Packard(HP)は全世界のPC出荷台数でライバルのLenovoを抑えて何とか首位を守ったという。しかし、HPの出荷台数の割合は1年前から変化していないのに対し、LenovoはPCベンダー上位5社のうちで最も高い成長率を示している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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