ソニーはCESで「Xperia Z」と「Xperia ZL」を発表した。CES開幕前にインターネット上で情報が流出したこれらの携帯電話は、2013年前半におけるソニーのフラッグシップデバイスで、第1四半期中に世界的に発売される予定だ。ソニー幹部陣は、価格体系や米国での具体的な発売予定についてはコメントしなかった。
これらの携帯電話が通信キャリアパートナーを通して、米国でいつ発売されることになるのかは定かではない。ソニーは過去に米国の通信キャリアパートナーに苦労させられた経験がある。AT&Tは2012年、Xperiaに賭けたが、同デバイスのマーケティングにそれほど力を入れなかった。とはいえXperia ZとXperia ZLは、ソニーがモバイル分野の現状を一変させる最新の(そしてこれまでで最高の)チャンスである。
以下では、ソニーが携帯電話ユーザーの支持を取り戻し、Xperia ZとXperia ZLがその目標を達成するために採れる方法を考えてみる。
今も残っているクールなブランドを活用する。ソニーは今でも「PlayStation」ゲームコンソールシリーズという素晴らしい資産を持っている。それならば、なぜXperiaスマートフォンラインとPlayStationを連携させないのだろうか。米国では比較的名の知れていないXperiaブランドと、よりクールなPlayStationという名前を結びつけても悪い影響はないだろう。
もちろん、両者の連携は名前だけでは終わらない。Sony EricssonはPlayStationと不完全な「Xperia Play」の連携を試みた。そして、AndroidベースのゲームをPlayStationのカタログと結びつけるという中途半端な試みの中で、「PlayStation認定」というあやふやな用語を考え出した。それは失敗に終わった。
ソニーは先頃、次世代のPlayStation認定ゲーム向けの新しいソフトウェア開発キットをリリースした。同社はそれがXperiaとPlayStationの連携強化につながることを期待している。Xperia ZおよびZLには、それらのゲームへのリンクの役割を果たす「PlayStation Mobile」アイコンが設けられている。
さまざまな製品を連携させる。ソニーはサムスンと同様に、携帯電話以外にもテレビやPCなどさまざまな家電デバイスを製造している。ソニーはそれらすべての製品をもっと効果的に連携させる必要がある。もしかすると、アプリや洗練された共通インターフェースによって結びつけることも可能かもしれない。
Recon AnalyticsのアナリストであるRoger Entner氏は、「ソニーのポートフォリオを自分のために役立てる必要がある」と述べた。
ソニーはXperia携帯電話を、さまざまなデバイスを簡単に連結できるモジュラー型システムの一部とみなすべきだ。ソニーは既にその作業に着手しているが、セットアップをより簡素化する(つまりケーブルをなくす)必要がある。
「Apple並みに簡素化しなければならない」(Entner氏)
InfoneticsのアナリストであるJulien Blin氏によると、ソニーは製品同士を連携させる方法とその利点について、もっと効果的に消費者を教育する必要もあるという。
Xperia ZとXperia ZLは、いずれも近距離無線通信(NFC)に対応している。そしてソニーはNFCをリモコンに組み込んだテレビ5機種を発表した。携帯電話をリモコン上でタップして、テレビと携帯電話を連携させ、Wi-Fi Directを使って動画や写真を転送する、といった用途も考えられる。残念ながらこのNFC利用法では、ソニー製以外のテレビではこの機能を利用できない可能性が高い。
基本的なことを実行する。Xperia TLは堅実な携帯電話だった。だが、それは異彩を放つ携帯電話だっただろうか。そうとは言えない。かつてのソニーは、デザインの良さで知られる企業だった。同社はそうした技能をもう一度発揮する必要がある。それが意味するのは、より鮮やかで明るいディスプレイと強力な性能、長いバッテリ持続時間、高性能のカメラを搭載する、さらに薄型になった携帯電話だ。ソニーは、その社名で注目を集められると決めてかかってはいけない。ほかより優れた機能によって、人々を強引に振り向かせる必要があるだろう。
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