UPDATE パナソニックはテレビだけの企業ではない。同社代表取締役社長の津賀一宏氏は米国時間1月8日、ラスベガスで開催のConsumer Electronics Show(CES)における開幕基調講演でその点を強調した。
実際、津賀氏はともに登壇したテレビジャーナリストのLisa Ling氏とともに、1時間のうちのかなりの部分を費やして、パナソニックの多様な事業における多彩な側面を紹介した。グリーンテクノロジ、スマートグリッドや電気自動車の給電に役立つバッテリ技術、さらには、最先端の航空電子工学技術や新しい最先端のビジネスクラスタブレットの開発にいたるまで、その内容は多岐にわたった。また当然ながら、成功を収めているテレビ事業についても語られた。
講演の中心は、顧客に斬新で革新的な技術を提供することを目指すパナソニックの姿勢に関するものであった。
津賀氏は講演の中で、いくつかの興味深い新製品を披露した。新しい56インチ4K有機ELテレビや、4K画面を搭載する20インチ「Windows 8」タブレットなどである。また同氏は、インタラクティブメディア企業であるSpecific Mediaとの新しい提携を発表した。これによって、ビデオおよびモバイルプラットフォームへの広告の統合が促進される。また最後に同氏は、同社が北米本社をニュージャージー州ニューアークに移す予定であることを発表した。これは、同市の再活性化を促すことを目的とした提携の一環である。
テレビ市場については、人々は変化を熱望していると津賀氏は述べた。そして、パナソニックは人々の期待について基準を引き上げてみせようと決意していると同氏は述べた。より大きく鮮明な画面に加えて、消費者はより多くのコンテンツにアクセスし、友人とやり取りしたいとも考えていると同氏は述べた。
同氏はSpecific Mediaの共同創設者兼社長を務めるTim Vanderhook氏を壇上に迎えた。Vanderhook氏は、パナソニックとの提携に加え、両社が次世代のテレビ体験を実現する方法について語った。消費者がコンテンツに対してより深いレベルで関与できるようにするというのがその考え方である。両氏は、オンスクリーンテレビガイドを披露した。そこには、テレビの所有者が視聴しているコンテンツとともに、所有者の友人が視聴しているコンテンツが表示された。また、番組を視聴する友人間のチャットセッションを表示することも可能となっていた。
しかし、同社のテレビ戦略の中心にあるのは、映像の高画質化である。パナソニックは新しいテレビの試作機によって、まさにそれを披露した。パナソニックの56インチ4K有機ELテレビは、解像度が3840×2160ピクセル、重量27ポンド(約12.25kg)で、厚さは0.5インチ(約1.27cm)未満である。ベゼルも非常にスリムで、一般的な液晶ディスプレイと同程度である。
4Kテレビに加えて、パナソニックは新しい20インチ「Windows 8」搭載4Kタブレットについても語った。同タブレットにはスタイラスが付属し、ハイエンドな解像度を必要とする人々を対象に設計されている。
いずれの製品も商用提供されていないが、パナソニックは今週、CESの同社ブースにて両製品を展示する予定である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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