Nexus 10は、これまで発売されたタブレットのなかで最も優れたデザインを有する製品の1つである。その重量は約603グラムと極めて軽く、わずかにへこんだ曲面ガラスが採用され、背面には少し斜角が付けられている。その軽さと、滑らかに面取りされた四隅の形状のおかげで、両手で持っても手のひらに食い込むこともない。背面は柔らかく、ゴムのような質感の握りやすいプラスチック素材で覆われており、その素材は手になじむだけでなく、タブレットの保護にも役立っている。上述した面取りされた四隅も同様に、ゴムのようなプラスチック素材で覆われている。このためNexus 10の外装は、タブレット本体というデリケートな内臓の保護を目的として特注された外骨格装備のように感じられる。
Google Nexus 10 | ASUS Transformer Pad Infinity TF700 | Apple iPad (第4世代) |
|
---|---|---|---|
重量(g) | 603 | 598 | 652 |
横置き時の横サイズ(mm) | 263.9 | 263 | 241.2 |
横置き時の縦サイズ(mm) | 177.6 | 180.8 | 185.7 |
厚み(mm) | 8.9 | 8.5 | 9.4 |
横置き時の左右の ベゼル幅(mm) |
23 | 20 | 20 |
そのおかげで、タブレットを多少乱暴に扱っても大丈夫なようになり、子供に持たせた時でも神経をとがらせる必要がなくなるはずだ。また、Nexus 10には傷つきやすい縁もなければ、繊細な角もない。このレビューを執筆している間も、筆者は何度か誤ってこのタブレットをコンクリートの床に落としてしまったが、傷ついたりへこんだりはしなかった。筆者はタブレットを乱暴に扱ってもよいと述べているわけではないものの、iPadやTransformer Pad Infinityといった高級感あふれるデザインばかりではなく、こういったデザインのタブレットが市場に投入されたことを嬉しく感じている。実際のところ、家族で共有するタブレットを選択する場合、Nexus 10がより適切な候補となるだろう。なお、こういった共有の実現方法については後で述べることにしたい。
この黒ずくめのタブレットはサムスン電子が製造しているせいか、同社の「GALAXY Note 10.1」を思い起こさせるものがあり、幅広のベゼルについてもよく似ている。左右のベゼルにはそれぞれ、フロントスピーカーグリルが配されているため、特に幅広となっている。ベゼルの幅は狭い方がよいという人もいるだろうが、タブレットを両手で持つ時には幅広の方が都合がよい。画面を横長の状態にして持った場合、両手がスピーカーグリルをふさぐことになるものの、Nexus 10のスピーカーグリルはとても長いため(タブレット長が約17.5cmで、スピーカーグリルが約14cm)、音が出てくる隙間は十分にある。また、手に持ちながら音楽等を聴くという場合には、ヘッドホンを装着することも多いはずだ。
外見上の特徴について、Googleはものごとをシンプルにするよう努めている。左側面にはヘッドホンジャックとMicro USBの充電/データポートが配置されており、上側面の左端には電源/スリープボタンと音量調整用のロッカースイッチがある。また、右側面にはMicro HDMIポートが、下側面には充電に使用するマグネット吸着式のポゴピン圧接コネクタを接続するためのポートが配置されている。
このタブレットの背面上部には、Nexus 7の背面を覆っている素材を改良した感じのする細長いプレートが貼り付けられている。そのプレート(取り外し可能)の内側には5メガピクセルの背面カメラが、そして近くにはLEDフラッシュとマイクも配置されている。一方、正面の上部ベゼルの中央には、1.9メガピクセルの前面カメラと環境光センサが配置されている。なお、背面の中央部にはNexusのロゴが大きく刻まれており、背面下部にはサムスン電子のロゴが小さく刻まれている。
Nexus 10はセクシーなタブレットではないものの、現在市場に出回っている10インチのタブレットのなかで最も手になじむものと言えるだろう。
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