Googleの動きが活発だ。
「Android」を搭載した新しい「Nexus」デバイスが登場しただけでなく、Googleはそれらのガジェットにこれまでより多くの映画と音楽を搭載した。「Google Play」(かつての「Android Market」の新名称)は初めて、すべての大手音楽レーベルおよび映画スタジオとライセンシング契約を締結したと豪語できるようになった。その実現には、相当な労力が必要だったに違いない。
大手のエンターテインメント企業各社は、オンライン著作権侵害者から著作物を保護する取り組みをGoogleが積極的に支援していないと感じており、かねてから不満を表明してきた。しかしAndroidデバイスはあらゆる場所に普及しており、同OSの人気の高まりによって、音楽および映画会社がそれに背を向けることは困難になっている。
Jamie Rosenberg氏はGoogleのデジタルコンテンツ担当バイスプレジデントで、先述したコンテンツ契約を締結したグループを率いる人物でもある。Rosenberg氏は、同社幹部の1人として、AppleのEddy Cue氏と争わなければならない立場にある。Cue氏は、Appleで幹部を長年務め、同社のコンテンツ獲得を監督している。Rosenberg氏はかつてDangerに勤務した経験を持っており、その後Microsoftに勤務した。DangerはT-Mobileの「Sidekick」の開発を手がけ、Microsoftに買収された企業だ。Dangerの創設者には、Androidの創始者の1人であるAndy Rubin氏が含まれる。
Rosenberg氏は米CNETとのインタビューに応じ、Google Playのコンテンツ提携について語った。
--Googleは当初、コンテンツの獲得に苦労していました。今では、すべての大手音楽レーベルおよびハリウッドスタジオと提携しています。状況が好転したきっかけは何だったのでしょうか。
Rosenberg氏:われわれは、デジタルコンテンツを中心とする素晴らしい体験と、Googleのコンテンツパートナーが参加する素晴らしいディストリビューションチャネルの構築への投資について、迅速かつ着実な進化を常に示してきたと思います。Androidの勢い、ブランドとしてのGoogle Playの発表、そして、デジタルコンテンツおよびサービスを提供するための驚異的なタブレットとしての「Nexus 7」の発表によって、このビジネスをGoogleで成功へ導くことにわれわれが非常に真剣に取り組んでいると実証できました。
--大手のスタジオやレーベルは以前、Googleについて、そしてコンテンツ保護へのGoogleの対応が消極的だと思われることについて、大いに不満を述べていました。彼らはGoogleが著作権侵害と戦うことを望みました。そしてGoogleは著作権侵害防止の取り組みを強化し、検索では、著作権を侵害していると言われるサイトを検索されにくくしたり、フィルタリングを行ったりしました。先述したコンテンツ契約の締結にこぎ着ける上で、それらの取り組みが功を奏したと思いますか。
Rosenberg氏:率直に言って最も重要だったのは、先ほど述べたように、第一級のコンテンツディストリビューションプラットフォームとしてGoogle Playが継続的な進化を遂げること、そしてコンテンツコミュニティーの製品を販売し、コンテンツを収益化するためのAndroidの大規模なリーチ、またGoogleの大規模なリーチを、Googleがコンテンツコミュニティーに提供した方法だったと思います。われわれがコンテンツ業界と提携しビジネスを構築することに真剣だという姿勢を示し続ける中で、それが業界の関心を引いたのだと思います。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス