任天堂「Wii U」レビュー--デザインや機能、使用感など紹介(後編)

Jeff Bakalar (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2012年12月18日 07時30分

(編集部注:米CNETによる「Wii U」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。前編は12月6日に公開されています

オンライン

 任天堂は「ニンテンドーネットワーク」と呼ぶネットワークにおいて、ようやく自らのオンラインプレゼンスを普遍的なものにした。これによりプレーヤーは、任天堂のエコシステム全体を通じて使用できる「Nintendo Network ID」の登録および取得が可能になる。

 Wii Uシステムを用いてユーザーが作り出す「Mii」というキャラクターには、Nintendo Network IDが与えられる。このIDはElectronic Arts(EA)やUbisoftといったサードパーティーのシステムで使用するIDとも関連付けることができる。


提供:CNET

 「ニンテンドーeショップ」はWii Uのオンライン仮想店舗であり、ここから、Wii U向けのすべてのディスクソフトや、ダウンロード版でのみ提供されるソフトをダウンロードできる。米国の「Deluxe Set」を買った人には「お得意様」向け優待プログラムが提供され、ポイントを貯めることでゲームを割引価格で購入できるようになっている。

 ニンテンドーeショップで購入した商品はすべて、該当商品を購入していないユーザーであっても、Wii Uシステムに登録していれば使用できる(購入者である必要はない)。なお、各Wii Uシステムに登録できるのは12ユーザーまでとなっている。

 「Miiverse」は世界中にいるWii Uユーザーとのやり取りを可能にする、ゲーマー向けのソーシャルネットワークだ。ここでは画像やメッセージなどを交換しあえるようになっている。またWii Uには、機能に一部制約があるもののウェブブラウザも搭載されている。

 ニンテンドーeショップへのアクセスは、「GamePad」を通じて行うようになっている。ここからWii U向けのディスクサイズのゲームをダウンロード購入することができる。こういったタイトルは、間違いなく大きなサイズとなっているため、保存用メモリを32Gバイト搭載したWii Uを購入したユーザーであっても、空き容量に注意を払っておく必要があるだろう。また、コンテンツをダウンロードする際には、メモリ拡張がUSB記録メディアを通じてしかできないという点を忘れてはいけない。

 任天堂によると、ニンテンドーeショップには今後も続々とソフトウェアが登場するということなので、Wii U向けのソフトウェアを開発している他のメーカーを見極めるには、もうしばらく見守る必要があるだろう。

ゲーム

 Wii Uの標準的なゲームは青いパッケージに入っており、その小売価格は60ドルとなっている。こういったゲームは25Gバイトまでのデータが格納できるプロプライエタリなWii Uディスクに書き込まれている。このディスクはBlu-ray Discのような見た目となっているが、実際には違っているとのことである。


提供:Sarah Tew/CNET

 今回初めて任天堂のゲームが高精細度(HD)に対応したというのは素晴らしいことだ。世の中の皮肉屋は「Wii」の時に対応しておくべきだったと言うだろうが、筆者にとってその新鮮さはまだ失われていない。

 ここで、任天堂に賛辞を贈っておきたい。他社のゲームコンソールはすべて、パーティーゲームというジャンルを放棄してしまっているが、Wii Uはそのジャンルに誇りを持って対応している。GamePadが子どもたちの間で取り合いになるのは間違いないものの、Wii Uはリビングルームにおけるマルチプレーヤーゲームの王様となるはずだ。Wii U向けのゲームのなかには(GamePadと4つの「Wiiリモート」を使用して)同時に最大5人がプレイできるようになっているものがあるため、年齢の垣根を越えた壮大なゲームバトルを展開することができる。

 グラフィックスについて述べると、Wii Uのゲームにおけるビジュアルは現行世代の「Xbox 360」や「PlayStation 3(PS3)」に比肩し得るものの、グラフィックスにうるさい人の目から見ると、テクスチャやフレームレートという点で若干見劣りするかもしれない。発売されているいくつかのタイトルでは、PS3版やXbox 360版の方が明らかにスムーズに描画された。

 これまでのところ任天堂は、Wii U上でのみプレイできる独占タイトルを用いたユーザーの囲い込みで大成功を収めているとは言い難い。近々発売される「ピクミン3」や「Game & Wario」といった任天堂自身が開発したタイトルはともかく、Wii Uの独占タイトルとできたのは現時点で「ベヨネッタ2」や「LEGO CITY: Undercover」「The Wonderful 101」といったタイトルにとどまっている。もちろん、任天堂自身が開発した「マリオ」や「ゼルダ」「メトロイド」といったシリーズのタイトルは今後登場すると考えてよいだろう。

 さまざまなプラットフォーム上で動作するゲームの多くも、Wii U版が発売されるだろうが、Xbox 360やPS3は製品サイクル自体が終わりに近づいているため、Wii UがWiiのように後追いの立場になるのは避けられないだろう。

 任天堂と複数のサードパーティー開発企業は、Wii Uのテスト用として筆者にゲームをいくつか貸与してくれた。Wii Uの発売と同時に約30のゲームタイトルがリリースされているものの、本記事ではそれなりの時間をかけて試用したタイトルをいくつか選んで紹介する。

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