Appleが、従来のデスクトップコンピューティングの分野でスタンダードになるなどと、誰が考えただろうか?
その美しい新デザインを別にすれば、この新型「iMac」は、総じてこれまでと同様のモデルチェンジだ。確かにこれは2011年最高の万能マシンからのモデルチェンジだが、このAppleの新型オールインワンデスクトップには、意外な要素はほとんどない。Intelの第3世代「Ivy Bridge」CPU、NVIDIAの最新グラフィックチップ、より大きくなったデフォルトメモリサイズなど、このiMacの要素はすべて、2012年のパソコンの流行に沿ったものになっている。
そして、Appleは独自のハイブリッドストレージ技術である「Fusion Drive」を追加した。また、今回は光学ディスクドライブがなくなったほか、新しい筐体にいくつかのデザイン上の工夫が施された。iMacの使い方に基本的な変化はまったくない。
多くの人にとっては、iMacにタッチスクリーンがないことはよいことであり、少なくともマイナスではない。ユーザーが本当に気にしているのは、システムが高速であること(実現されている)、見た目がよいこと(実現されている)、そして価格に見合う十分な機能を持っていること(ほぼ実現されている)であり、要するに、われわれが昔から新しいコンピュータに求めていることだ。
新型の27インチiMacは、お勧めできるマシンだ。大きく、はっきり映るディスプレイを持つ、高速なコンピュータが必要な人、あるいは単にそういうものが欲しい人には、このiMac(レビューした599ドルのモデルでさえ)をお勧めする。例えば組織で利用する情報端末や、家庭でのエンターテインメントハブなど、他の用途のためのPCが欲しいのであれば、iMacではなく、他のもっと尖ったデスクトップを選んだ方がいいだろう。
私は、Appleが2012年10月のプレスイベントでこの新型iMacをお披露目した時、そのデザインを気に入った。次に、私はAppleのiMacの見せ方にだまされたと感じた。
新型iMacの発表の際に見せられた写真では、まったくフラットなデザインに見え、不可能なほど薄い、製造技術の勝利のように感じられた。実際には、背面パネルの膨らみが、その薄さへの期待を裏切っている。Appleは同社のウェブサイトに掲載したいくつかの写真で、iMacの筐体の真実の姿を示しているが、iMacが実際にはAppleがそう見せていたように薄いわけではないことに気付いても、それほど残念さを感じさせない。
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