12月3日~12月9日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
AppleはSamsungなどAndroid陣営との間での訴訟が引き続き激しさを増す一方で、2013年以降、企業として米国や世界のなかでどのようにビジネスをしていこうとしているのかを垣間見られる重要なニュースが流れてきた。「米国生産回帰」は、経済の悪化と雇用情勢に注目が集まる米国の中では、非常に大きく取り上げられていたのが印象的だった。
これらのニュースも含めて、1週間のAppleニュースを振り返ろう。
米国で年末にかけての経済ニュースで、最も注目されるキーワードは「Fisical Cliff」(財政の崖)だ。米国の膨れあがった財政赤字を抑制する強制的な歳出削減と、リーマンショック後の「ブッシュ減税」の期限が切れて実質的に増税となる2013年に、景気悪化を招くのではないか、という懸念だ。
そういった中、米国に納税したり、景気を支える雇用を創出したりするニュースは非常にポジティブに大きく取り上げられている。経済ニュースだけでなく、ローカルニュースでも同様だ。それだけに、一部の新型iMacが米国内で組み立てられたことが分かり、その後AppleのTim Cook CEOが2013年にさらにその取り組みを拡大させるとの発言は、Appleのお膝元であるカリフォルニアでは非常に歓迎された。
そのための投資や環境整備にまつわるニュースも合わせて入ってきている。プロセッサはこれまでSamsungが組み立てていたが、タブレットやスマートフォンなどのデバイスのためにPC向けの需要が減るIntelの生産能力を活用する流れが実現するかどうか、注目される。また中国でApple製品を組み立てているFoxconnが米国内での事業拡大について報じられ、Apple関連の動きに重なることはお察しの通りだろう。
米国内でMacを組み立てることをテストしており、その活動はより大きな流れとして実現しようとしている。また現在のApple製品のラインに加えて、昨年から噂されているテレビに関して、Tim Cook氏は引き続き発言をしていることも見逃せない。
ただ、組み立てとプロセッサだけでは生産はできない。電池、ディスプレイ、通信チップ、メモリ、センサ類など、非常にたくさんの部品で製品は作られており、少なからず日本からの調達も続いている。米国生産に移されるとき、引き続き日本の部品が使われ続けるのかどうか、きちんと売り込んでおく必要があるのではないだろうか。
一部の新型「iMac」に「米国で組み立て」の印字(12月3日)iPadは電子書籍や雑誌など紙のメディアの代替として大きな期待を背負ってきた。その最もドラスティックな動きとして当初注目されたNews Corp.のiPad専用雑誌、「The Daily」が終了することが決まった。読者層の獲得がままならなかったとは、News Corp.のRupert Murdoc氏の弁。もちろんこの投資が全て水泡に帰すわけではなく、おそらく後に「早すぎた」という評価が下ることになるはずだが、メディアの巨人を持ってしても、急激なメディア変化を起こすことは難しい、という実証でもある。
「iPad」向けニュースアプリ「The Daily」、終了へ--News Corp.が発表(12月3日)AppleとSamsugnは8月にカリフォルニアでAppleのほぼ勝利に近い評決が出てから、再び、250件を超える両者からの申し立てについて審問で激論を繰り広げている。この中で興味深い動きは、2点だ。
AppleとHTCの特許訴訟での和解について、Samsungが求めた開示を認め、ロイヤリティなどの金額以外の部分についての和解条件が開示された。また、米国特許商標庁が、Appleのマルチタッチ技術特許など、Steve Jobs氏の名前が登録されているいわゆる「Jobs特許」について、無効の暫定的判定を下している。次週以降、これらの影響が明らかになっていくことと考えられるが、Apple勝利の一筋縄では終わらない状勢になってきたことは確かだ。
アップル、陪審員長の情報隠ぺいについてサムスンの主張に反論--知的財産権訴訟(12月4日)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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