「iPhone 5」レビュー--デザインや機能、使用感など紹介(前編) - (page 5)

CNET News staff  翻訳校正: 石橋啓一郎2012年09月28日 07時30分

 もちろん、長くなった画面を活用するには新しいアプリが必要であり、私がiPhone 5をテストした時点では、iOS 6が正式にリリースされていなかったため、それらのアプリは利用できなかった。古いアプリは、従来のiPhoneと同じサイズで、画面の上と下に小さな黒い帯が入った形で実行される。この形でもアプリはまったく問題なく実行できる、特に縦持ちモードでは違和感が少ないが、違いがあることには必ず気付くはずだ。アプリメーカーはこの余分な画面の空間を活用できるように急いでアプリを修正するだろうし、私の予想では、ほとんどのアプリはiPhone 5(とiPod touch)に対応するまでほとんど時間はかからないだろう。

提供:CNET
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 私は、「iMovie」「iPhoto」「Pages」「Numbers」「Keynote」「GarageBand」「iCards」、そしてiPhone 5にあらかじめ組み込まれているすべてのアプリ(「マップ」「リマインダー」「メッセージ」「写真」「カメラ」「ビデオ」「天気」「PassBook」「メモ」「株価」「Newsstand」「iTunes」「App Store」「Game Center」「連絡先」「計算機」「コンパス」「ボイスメモ」「メール」「Safari」「ミュージック」そして当然「電話」)を試したが、これらはすべて追加されたスペースをさまざまな形で有効に活用している。他のアプリがどのようにこの余分のスペースを利用するかは、これからわかるだろう。

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 私は、大きくなった画面を活用するキラーアプリを待ち望んでいる。これまでのところ、私はまだ驚くような活用法は見ていない。私の考えでは、この画面サイズからもっとも恩恵を受けるのはゲームであり、他にはビデオと写真関係のアプリだ。ある程度は読書アプリやニュースアプリも恩恵を受けるだろう。

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 動画再生はもちろん大きな恩恵を受ける。新しい16:9のアスペクト比なら、横置きにしたときの黒枠スペースを減らせるか、完全になくせるからだ。iPhone 4Sでは画面サイズ調整のために表示スペースが縮小されていたHD版の「Planet Earth」のエピソードは、画面全体を使って表示された。YouTubeの動画表示もすばらしかった。Pixarの「ウォーリー」などの一部の映画には、非常に横長になっているシネマスコープのアスペクト比(21:9)が使われているため、依然として黒枠が出るが、それでも以前よりはずっと大きく表示される。また、画面をタップすれば拡大表示することも可能だ。

 私が思うに、Retinaディスプレイの時のように、古いiPhoneに戻ろうとすると、iPhone 5の画面が恋しくなるに違いない。新しいディスプレイは自然に感じられため、画面を消した状態では、ぱっと見ではiPhone 5はあまり変わっていないように見える。比較すると、iPhone 4と4Sの画面は小さく、周囲のスペースが大きく感じられる。

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同じ1080pの動画を再生しているiPhone 5とiPhone 4S。
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 iPhone 5の新型ディスプレイは、画面から層が1つ取り除かれており、ディスプレイの表面そのものが静電容量式のパネルであるかのように動作する。ただし、私は違いが分からなかった。以前と同様に、きびきびしていて応答も速いように感じられた。Appleは、この新型ディスプレイでは彩度が44%向上していると述べている。第3世代のiPadで彩度が向上したのと同様だ。並べて1080pの「Planet Earth」のエピソードを再生した限りでは、違いはそれほど劇的なものではなかったが、iPhone 5の方がエッジが少ないように見えた。ゲームや写真の表示、普段電話として利用する場面などでは、違いが小さすぎて、横に並べて比べても差はわからなかった。繰り返しになるが、本当に違うのは大きさだ。明るさの自動調整機能も少し改良され、通常、iPhone 5では、自分がいる部屋の状況に応じて、より適切な明るさになっていることに気付いた。

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 そろそろ、親指について議論しよう。つまり、ユーザーの親指のサイズとiPhone 5についてだ。iPhone 4Sでは、このスマートフォンのデザインは、親指を伸ばせばホームボタンからiPhoneの3.5インチディスプレイの一番上にあるアイコンまで十分に届くよう、完璧に調整されていた。残念ながら、今は必ずしもそうは言えない。持つ位置を少しずらせば、今でも親指をホームボタンから大きくなった画面の端まで届かせることはできるが、iPhone 5はむしろ両手で使った方がいいことがある。このことは、横持ちでの使い方に切り替えるユーザーやアプリ開発会社を増やすかもしれない。横持ちであれば、画面が長くなり、ピクセルが増えた分、画面の中央に余裕を持たせた上で、両側に指を置けるようになるからだ。

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 ゲームの開発会社は、16:9の横持ち画面を使うようになる可能性が高い。これは、標準的なHDテレビの画面や、ほとんどの据え置きゲーム機の画面の比率に近いからだ。幅が増えた分は、仮想ボタンを置くスペースとしても利用できる。

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