iPhone 5では、とうとう過去5年間変わらなかった3.5インチの画面が大きくなったが、横には広げず、縦に伸ばすことでそれを実現した。iPhone 4および4Sの3.5インチ、960×640ピクセルのディスプレイから、4インチ、1136×640ピクセルのディスプレイになったことは、実質的に同じRetinaディスプレイ(326ppi)だが、画面が大きくなった分だけピクセル数が多くなったことを意味する。アイコンとアプリのボタンはすべて同じサイズだが、他の機能を配置したり、動画や写真を表示するスペースは多く取れるようになった。
iPhoneのインターフェースは従来通りだ。アプリのアイコンが格子状に並び、画面の下部には4つのアプリを配置できるドックがある。これまでは1画面に4つずつのアプリが4段表示されていたが、画面が大きくなったことで、4つのアプリが5段表示されるようになった。これで、ホーム画面により多くのアプリが入るようになったが、ユーザーインターフェースのイノベーションはほぼこれだけだ。画面が高くなったことで、画面の下や上にポップアップする通知バナーは、あまり邪魔にならなくなった。
最初は、横幅を増やさずに縦に伸ばすというのは奇妙に思えたし、これはiPadの紙に近い4:3の画面アスペクト比を捨てるということを意味していた。電子書籍のページは、引き延ばされたように感じられるかもしれない。縦持ちで見た場合、文書のテキストは大きくなったようには見えないかもしれないが、リストは多く表示できるようになる。
横持ちで見た場合、幅が広がるため、テキストは実際に大きく見える(1行により多くの文字を表示できるようになる)。横持ちモードのソフトウエアキーボードも、やや横に広がっており、両側には少しスペースが置かれていて、慣れるのに若干時間がかかった。
私は縦持ちで入力する方が好みだ。これは、キーボードのサイズと幅が変わらないことと、画面が伸びた分ソフトウェアキーボードの上に見えるテキストが多くなったためだ。
こういった画面の違いは、特に一部の広大な画面を持つAndroidデバイスに比べれば、それほど劇的な変化だとは言えない。例えば、サムスンのGALAXY S IIIは、画面サイズ(4.8インチ)の面でも、解像度(1280×720)の面でもiPhone 5を大きく凌駕している。iOS 6のメールアプリの場合、内容のプレビューが1行表示されている状態で、iPhone 5では画面に同時に6件半のメッセージが表示できるのに対して、iPhone 4と4Sでは5件と3分の1しか表示できない。他のアプリでは、もっとレイアウトを変えている。新しいiOS 6版のリマインダーでは8件のタスクが表示できるが、iOS 5.1.1のiPhone 4Sでは5件だけだ。
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