この何年かでその外見が少しずつ変わっているとしても、丸いホームボタン、ポケットに入る大きさ、馴染みのサイズの画面といった、iPhoneの外見はみんな知っているはずだ。このデザインをいじって、ほんの少し変えることはできるだろうか?
最新型のiPhoneは、過去のiPhoneよりも長いメタルボディを持っているが、同時に薄くなってもいる。そして、大きくなったと言っても、サムスンの「GALAXY Note」やHTCの「One X」のような巨大なスマートフォンになったわけではない。iPhone 5はiPhone 4や4Sよりも大きくなったが、その差は微妙なものだ。
前面と側面からの外見は、iPhone 4および4Sに酷似している。同じ丸い形の金属の音量調節ボタン、上側面のスリープ・スリープ解除ボタン、サウンドオン・オフボタンはそのままだ。ヘッドホンジャックは、「iPod touch」のように下側面に移された。これは、評価する人としない人に分かれるだろう。iPhoneを縦に置いて、同時にヘッドホンを使うことが事実上不可能になったからだ。実際、下側面は一新された。ヘッドホンジャック、大きくなり再デザインされたスピーカ、今までとは違うタイプの穴の開いた格子、そして、ずっと小さくなった「Lightning」コネクタポートが配置されている。
背面のゴリラガラスはなくなり、金属で置き換えられた。ツートーンの外見は新しく見えるかもしれないが、初代iPhoneのシルバーとブラックの背面に少し似ている。背面の上の部分と下の部分は、ガラスのままだ。この酸化皮膜処理されたアルミニウムは(AppleはMacBookと同じものだと主張している)はまったく同じ感触で、ホワイトモデルでも同じような陰影になっている。これまでのところ、傷はついていない。このアルミニウムの仕上げは、2008年以降のMacBookと同じ水準だと言っていいだろう。ブラックのiPhoneでは、アルミニウムの色はスレートグレーになっている。私が使っているホワイトのレビュー用モデルでは、MacBookと同じ色のシルバーだ。このアルミニウムは、背面の大半と側面をカバーする形で、iPhone 4と4Sのスチールバンドを置き換えており、軽量化に一役買っている。前面のガラスはアルミよりも少し前に出ており、前面と背面のエッジは鏡面仕上げで面取りされ、角が取られている。
では、なぜ背面のガラスをやめたのだろうか。これは、よりよく、より耐久性の高い仕上げをするためなのか、それとも軽量化のためだろうか?AppleはiPhone 5の軽さを誇らしげに主張しているが、新しいアルミニウムの背面はそれに役立っている。nano-SIMカードへの移行も同様だ(自前でのSIM交換は再び不可能になったため、通信会社の店舗に行く必要がある)。また、細い画面と小さなドックコネクタも貢献している。全体像がおわかりだろうか。
iPhone 4Sと新型iPhoneを並べてみると、厚さが違うのが見て取れる。これは大きな違いではないが、縦と横が大きくなっているのを考慮すると、数字以上に薄く感じる。また、私がすごいと感じたのは、その軽さだ。この軽さには、今でも違和感を感じるほどだ。iPhone 5の3.95オンス(約112g)という重さは、これまでのiPhoneの中でもっとも軽いものだ。iPhone 4Sは、1オンス近く重い4.9オンス(約140g)ある。「iPhone 3G」は4.7オンス(約133g)だ。また、初代iPhoneとiPhone 4は4.8オンス(約136g)だった。これは、これまでほぼ一定の重さだったiPhoneの大きな変化であり、iPhone Airだと呼んでもいい。
それでも、iPhone 5の外見は、iPhone 4と比べて劇的に違うというわけではない。実際、これはiPhoneにiPadとMacBookのデザインを融合させたもののように見える。
そしてもちろん、新しい、大きくなった画面だ。この変化には、遠くからでも気付く人がいるだろう。画面は多くのAndroidスマートフォンのように、ボディの端ぎりぎりまで使われているわけではないが、このディスプレイのために、余分なスペースが削られた。ホームボタンや電話用のスピーカーの周囲のスペースは小さくなっている。iPhone 5の画面の高さはサムスンの「GALAXY S II」と同じくらいだが、幅は狭い。横幅が狭いデザインにすることで、持ったときの感触は変わらず、私は以前より持ちやすくなったように思う。縦に長くなったことで、電話をする際に覆われる顔の部分は大きくなった。
これで1週間iPhone 5を使っているが、私はボディが大きくなったことを忘れ始めている。これこそがポイントのようだ。そして、iPhoneは私が持っているどのズボンのポケットにも入る。長くなった一方で薄くなったため、スボンはそれほど膨らまない。長くなっただの、ズボンの膨らみがだの、変な話を書いてしまったが、先に進もう。
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