カリフォルニア州サンノゼ発--Appleは、サムスンがAppleのスマートフォンおよびタブレットの意匠を盗用したという主張を補強するために、再びデザイナーに助けを求めた。今回は、自らの言い分を証明するために、社外のデザイナーの力を借りた。
アメリカインダストリアルデザイナー協会(Industrial Designers Society of America:IDSA)の元会長で、製品デザイン企業Bresslergroupの創設者兼取締役会長でもあるPeter Bressler氏は米国時間8月6日の証言の中で、サムスンのデザインの多くは、Appleの意匠権を侵害している、と述べた。
「サムスンの複数の携帯電話と2種類のタブレットは、(Appleの)保護されている意匠とほとんど同じである、というのが私の見解だ」(Bressler氏)
その結果として、消費者がサムスンのデバイスをAppleのデバイスと混同する可能性がある、とBressler氏は示唆した。
その主張を裏付けるため、Bressler氏は、サムスンの十数種類のデバイスがAppleの端末にいかに酷似しているかを指摘した。それには、サムスンの第1および第2世代の「GALAXY S」デバイス、さらに「GALAXY」タブレットが含まれる。
サムスンは以前、2005年にライバルのシャープに認められた日本の意匠権を引き合いに出して、先行技術を根拠とする弁明を展開したが、Bressler氏はそれにも反論しようとした。サムスンが「iPhone」に似ていると示唆するそのデバイスは、前面が平らではなく湾曲しているので、Appleの意匠権で描かれているデバイス群とは異なるものだ、とBressler氏は主張した。
意匠に関するこれらの主張が法廷で展開され、テクノロジ分野のライバルでビジネスパートナーでもある両社が衝突するのは、今回が初めてではない。しかし、Bressler氏の主張は、Appleの意匠権が正確に何を保護するのかに関して、今回の訴訟でこれまでに行われたおそらく最も綿密な調査だ。ここで最も重要な問題の1つは、インダストリアルデザイナーの物の見方はBressler氏が「一般」の人々と呼ぶ集団とは異なるということである、とBressler氏は自らの言葉で述べた。
「一般の消費者が見る全体的な印象を形作るのは多数の細部だ。インダストリアルデザイナーはそれらの細部に注意を払うように訓練されている。したがって、(消費者は)それらの細部を視覚でとらえるかもしれないが、その印象は全体的な外観に埋もれてしまいがちだ」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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