Windows環境にどっぷりと浸かりきっていた人間が初めてMacを使用すると、驚くことが少なからず出てくる。
筆者は最近、iOSアプリの開発を始めるために「Mac mini server」を購入した。筆者は過去にMacを使用したことがあるものの(最後に触ったのは2000年のことだ)本気で使ってみたことはなかったうえ、Windowsをバージョン3.0の頃から愛用し続けている。ただ、何十年間もWindowsを使い続けてきたからといって、筆者は他のシステムを毛嫌いしているというわけではない。とにかくMacが手に入ったため、ここでまっさらな心で評価してみようと考えたわけだ。以下は、新たにMacユーザーとなった筆者が感じた10の印象である。
筆者はMac mini serverを入手したのだが、その「しっくり馴染む感じと、仕上がり」には驚きを禁じ得なかった。ハードウェアは美しく、OS Xは筆者を温かく迎え入れてくれ、筆者の心をちょっぴりハッピーなものにもしてくれた。また、パッケージを見るだけでも気分が高揚した。Mac製品を所有する誇りのようなものを感じたわけである。Windows搭載PCでこの種の感覚を味わったことはまれにしかない。Mac製品を手にした際のワクワク感についてはよく見聞きしていたが、今回初めて、実際にその感覚が味わえたのだ。ここまでおしゃれな製品を作り上げたAppleに賛辞を贈りたい。
しかし筆者の喜びは、行頭にカーソルを移動させようとした瞬間に消え去ってしまった。コピー&ペーストを行おうとした時も同じだ。さらには文字入力以外のすべてのキーボード操作を行おうとした時も同じだった。OS XとWindowsではキーボードショートカットが大きく異なっているのである。このため、キーボードをKVMスイッチに接続し、2つのシステムを切り替えて使おうとしても快適なエクスペリエンスを得ることはできない。また、OS Xにおける一部のショートカットは複数のキーを順に押下していくことで構成されている(例を挙げると、WindowsマシンではAlt+Print Screenだけで行える特定ウィンドウのスクリーンショット取得など)。さらに、Windowsでは単一キーの押下で済むような単純なこと(行頭への移動など)でも2つのキーを押下する必要がある。もっとも、筆者はショートカットをあまり使っていなかったため、まっさらな状態から覚えていくことができた。その点は不幸中の幸いと言えるだろう。
Windowsマシンを使っていて嫌になる点は、あるニーズを満足させるアプリケーションが必要となり、ネット上で適当なものを見つけたとしても、それが信頼できるかどうかすぐには判断できないところにある。筆者はTechRepublicの製品紹介やアプリ5選といったセクションで数多くの記事を執筆してきており、その関係で怪しげなアプリケーションに遭遇したことが何度もある。そういったアプリケーションについては、インストーラの起動前にウイルス対策ソフトウェアを実行し、インストール後にも「万一の場合」に備えて再度ウイルス対策ソフトウェアを実行している。ところがApp Storeの場合は、アプリケーションのインストールを行い、それを使うということに対して不安を感じずに済む。また、App Storeを使うことでニーズに合ったアプリケーションを簡単に見つけることもできる。App Store以外を探す必要に迫られたことも何度かあるが、筆者はもはやそういった外の世界を探すよりも、App Storeとそこで提供されているアプリケーションの方がお気に入りとなっている。
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