消費者庁が規制を検討しているとされるソーシャルゲームの「コンプガチャ」。本稿では、コンプガチャの仕組みを解説する。
「ガチャ」は、「ガシャポン」などでカプセルトイを買うときの様子「ガチャガチャ」に由来する。ガチャガチャもコンプガチャも、景品を一回引くたびに費用を負担させる点など、仕組みとしては似通っている。ガチャも、ソーシャルゲームで初めて採用されたシステムではなく、ゲーム内課金の一環として、以前からパソコン向けオンラインゲームなどで提供されていた。
ゲーム内のポイントを使った無料のガチャを提供するゲームもあるが、ほとんどの場合は仮想通貨を用いた有料のガチャだ。無料ガチャでは手に入らない、魅力的でレア度(希少性)の高いアイテムが用意されていることが多い。また、複数回を一度に引ける「連続ガチャ」といった仕組みを用意するゲームもあり、その場合は連続ガチャに特定のアイテムや1回分のおまけが付属することもある(もちろん回数分だけ課金される)。
問題視されているコンプガチャは「コンプリートガチャ」の略だ。ゲームで指定されたアイテムやカードをガチャで揃え、コンプシートを埋めることで、さらにレア度の高いアイテムやカードが手に入る仕組み。一人あたりの課金単価を上げる施策として用いられ始めた。
コンプガチャの多くは有料で提供されている。指定されたアイテムやカードをすべて揃えるために、何度もガチャを回してしまうユーザーが出てくると、それだけ一人あたりの課金単価が上昇していく。ガチャが1回300円に設定されている場合、コンプガチャで指定カードをすべて揃えるために、10回連続で引ける10連ガチャは3000円程度になる。ゲーム内では仮想通貨を使ってガチャを回すため、実際にお金を使っている感覚が鈍ってしまったり、費用を意識せずにボタンを押し続けた結果、いつの間にか数万円分を回していた、というケースもあるだろう。
課金単価を上げる施策には、コンプガチャ以外にも「レベルアップガチャ」と呼ばれる仕組みがある。ガチャで引いたレア度の高いカードやアイテムによって、ガチャで意中のカードが当たる確率が上昇する機能だ。レベルアップガチャは、より多くのガチャを回してもらう施策で、引けば引くほど有利になる。しかし、上昇確率がリセットされる場合もあるという。
既報の通り、コンプガチャが景品表示法で禁じられている懸賞方法の「カード合わせ」に抵触する可能性があるとし、消費者庁が近く見解を発表するという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス