UPDATE Google側の弁護士Robert Van Nest氏は米国時間4月30日、米連邦地方裁判所で同日午前中に行われたOracleによる最終弁論の後に証言台に立ち、裁判の争点となっている37のJava APIを「Android」が実装したことについて弁護した。
Van Nest氏が論点の中心としているのは、これがフェアユース(公正な使用)に当たるという点だ。同氏はAndroidについて、「Java 2 Platform Standard Edition(J2SE)5.0」のコピーというよりは、市場で違った成功を収めた「実質的に」異なる著作物だと強く主張した。
Van Nest氏は、今回の知的財産権訴訟におけるGoogleの立場を以下の4点にまとめた。
「著作権侵害を主張するには、何かがコピーされている必要がある。GoogleはSunのソースコードを使用できないことを知っていたため、コピーなどしていない」とVan Nest氏は述べた。
また、著作権に関して、Van Nest氏は「著作物全体」、つまり合計166のクラスライブラリとそれに付随するすべて(実装コード、名前、宣言など)からなる、合計280万行におよぶJ2SE 5.0のコードについて判断するようにとの陪審員の指示に言及した。その上で同氏は、「十中八九は著作権侵害が発生していること」をOracleは証明する必要があると付け加えた。
Van Nest氏は「互換性が必要となる最小の部分だけを利用するというこのようなAPIの利用方法は、フェアユースだ」と断言した。
また、同氏の最終弁論は、Sunの元最高経営責任者(CEO)Jonathan Schwartz氏が4月26日に行った証言に基づくものがかなりの部分を占めていた。
Schwartz氏はGoogleとの提携を実現できなかったことにSunが不満を感じていたことを認めていたが、Van Nest氏は、SunがAndroidにおけるJavaの使用を支持しており、訴訟を起こす理由など全くなかったとSchwartz氏が述べたことに改めて言及した。
Van Nest氏はまた、Schwartz氏が2007年11月のブログ記事でGoogleによるAndroidの初公開を祝っていたことを指摘し、AndroidがJavaで記述されていること、および問題のJava APIが組み込まれているに違いないことを、Schwartz氏はSDKのリリース前に知っていたのだと陪審員に説明した。
Van Nest氏は、SunとOracleが過去にAndroidを支持していたことをさらに示すため、OracleのCEOを務めるLarry Ellison氏が2009年に開催された「JavaOne」に出席したときの動画について陪審員の前で語った。Ellison氏はこの動画の中で、「われわれの友人であるGoogle」からさらに多くのJavaデバイスがリリースされることをOracleは期待しており、GoogleはJavaの普及にあたって「すばらしい仕事」をしたと述べていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」