「Android」向け「Chrome」ブラウザ、ベータ版がリリース

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2012年02月08日 08時09分

 Googleは米国時間2月7日、「Android」向け「Chrome」ブラウザのベータ版をリリースした。

 これまでのAndroid搭載ブラウザとは異なり、今回の新しいブラウザは「Android Market」で提供されるため、ユーザーは、端末メーカーによるOSアップグレード経由での提供を待つ必要がない。しかし、今回のブラウザは、新しいハードウェアアクセラレーションインターフェースに依存するため、「Ice Cream Sandwich」でしか動作しない。Ice Cream Sandwichは、2011年にサムスンのスマートフォン「Galaxy Nexus」に搭載されて登場したが、実際の利用ということではまだ少数派である。

 Android向けChromeには、デスクトップ版のJavaScriptエンジン「V8」に加えて、複数のタブ間を移動するためのジェスチャーベースの制御機能やデスクトップ版Chromeとの同期機能が搭載されているが、Adobe Systemsの「Flash Player」やGoogle自身の「Native Client」といったプラグインには対応していない。同ブラウザの性能および機能によって、Androidユーザーでのブラウザ利用が増えることをGoogleは期待している。

 GoogleでChromeおよびアプリケーション担当シニアバイスプレジデントを務めるSundar Pichai氏は、「全般的に、利用の増加が見受けられている」と述べた。「より多くの人々がモバイルウェブを利用するようになると期待している」(Pichai氏)

 新しいブラウザの機能としては、以下のようなものがある。

  • 同ブラウザでは、タブボタンをタップすると、複数のタブが重なったページのように表示される。ページは、いずれかの方向へとスワイプすると閉じられる。その操作は、Ice Cream Sandwich上で通知を削除する方法とほぼ同じである。ページをクリックすると、そのページが全画面表示され、その状態で指を一方から他方へとスライドすることによってページをめくることができる。
  • 同ブラウザでは、ユーザーがタップするだろうとGoogleが予測するリンクについて、そのページをプリロードすることができる。
  • Android向けChromeには、スクロールなどの処理用にハードウェアアクセラレーションが搭載されている。
  • 広範囲にわたるウェブ標準規格がサポートされている。例えば、複数の演算プロセス用の「Web Workers」、サーバとブラウザ間の通信を高速化するための「Web Sockets」、「HTML5」のビデオおよびオーディオ、オフラインストレージ用の「IndexedDB」などである。
  • 同ブラウザは、タブレット向けに再構成されている。「ユーザーはタブレット上で、ノートPCと似たエクスペリエンスを求めていることをわれわれは認識している」とPichai氏は述べた。そのために例えば、タブストリップはPC上と同じような外観になっているという。
  • ブックマークやウェブアドレス自動補完候補などのデータをデスクトップブラウザと同期することが可能で、今後のアップグレードによりパスワードにも対応する予定である。同期機能を利用するには、Googleアカウントにサインインする必要がある。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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