Oracleは米国時間11月18日、長きにわたって苦境にある「Intel Itanium」が今なお生き延びているのは、同チップを共同開発したHewlett-Packard(HP)とIntelの間で交わされた「秘密」の取引が唯一の理由だと主張する法廷文書を提出した。Oracleは、すでにItaniumのサポートを終了する意向を表明している。
その文書には、「HPは、Itaniumの量産を継続する契約をIntelと秘密裏に交わすことによって、すでに先のないマイクロプロセッサにまだ命脈があるかのように見せかけている」と書かれている。All Things DigitalのArik Hesseldahl氏はこの文書について、Itaniumのサポートを終了するOracleを相手取ってHPが起こした訴訟における情報開示の手続きと期間に関する通常の手順だと説明している。
HPは、OracleがItaniumのサポートを終了するのは、OracleがSun Microsystemsおよびそのサーバ事業を買収したためだと主張している。SunのサーバはIntelのx86系チップをベースにしている。Oracleは、Itaniumの顧客に同チップの先は長くないと思わせて、Sunの製品をはじめとするx86ベースのサーバに乗り換えさせようとしているだけだとHPは主張している。
一方のOracleは、HPが顧客をItaniumに引き留めようとしているのは、Itanium系OS「HP-UX」が、x86系チップをベースとするシステムよりも多くのサービス料金を得られるという事実があるためだと述べている。Hesseldahl氏は、Oracleによる文書を引用して次のように伝えている。これにより「HPは、Itaniumにまだ将来があるという誤った認識を生み出す極秘の計画を策定するに至った。(中略)HPは、IT製品の将来的展望が購入に関する顧客の意思決定を左右することを理解している。IntelがItaniumに何の将来性も見出せないでいることを知り、契約上の義務にしたがって同ラインへの投資を続けていたにすぎない買い手は、Itaniumサーバの将来的展望に関する評価を引き下げて、購入を控えるようになるだろう」
HPはHesseldahl氏に宛てて声明を送り、その中で次のように反論している。「今回の文書は、(Oracleが)苦境に陥っているSunサーバ事業を立て直し、ミッションクリティカルな業務をItaniumプロセッサに依存している数千社ものItaniumの既存顧客を追い詰める目的で続けている取り組みの最新の事例に過ぎない」
「Oracleもよく理解しているように、HPとIntelは今後2世代にわたってミッションクリティカルなItaniumプロセッサを顧客に販売し続けるという契約上の義務を負っており、したがって少なくとも今後10年間はItaniumの提供を継続することになる。HPは、OracleがHPおよびわれわれの共通の顧客に対する責任を果たすよう断固として求めていくとともに、引き続き顧客の利益を最大限に保護するための措置を講じていく」
HPがOracleを訴えたのは、2011年6月のことだった。8月には、当時HPの最高経営責任者(CEO)だったLeo Apotheker氏が、Itaniumの不振によって痛手を受けていることを認めて次のように述べている。「業務上不可欠なシステムの売り上げは前年比で9%減少した。この減少幅は予想よりも大きいが、これはOracleの決定による影響で契約がうまくまとまらず、注文が遅れたりキャンセルされたりしているためだ。当社は、Oracleがわれわれの顧客およびHPに対する責任を果たすよう積極的に働きかけている」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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