サムスンがAppleの「iPhone 4S」の販売仮差し止め命令を申請していた件で、このほどイタリアの裁判所がこの申請を却下する判断を示したと報じられた。これにより欧州での同端末の販売阻止を目指していたサムスンの働きかけは障害にぶつかった形となる。
イタリアの報道機関Agenzia Giornalistica Italia(AGI)は現地時間10月26日、サムスンが10月に入って申し立てていた同国でのiPhone 4S販売仮差し止め命令の申請を、ミラノの裁判所が退けたと伝えた。
今回の決定は、サムスンの申請に関する審理の中で下された。この申請はAppleの最新型スマートフォンであるiPhone 4Sが発表された翌日に提出されたもので、この中でサムスンは、ワイヤレス技術に関する同社の特許2件をAppleが侵害していると主張している。
サムスンはこの際、法的措置を発表するブログ投稿で次のように書いていた。「Appleは、われわれの知的財産権を甚だしく侵害し、われわれの技術を無償で利用し続けてきた。われわれの発明を保護するために法的な措置をとらなければならない時がきたと考えている」
Samsung Telecommunications Americaの広報担当者は、今回の判事の決定についてコメントを避けた。Appleにもコメントを求めたが、まだ回答は得られていない。
AGIの記事によると、イタリアの裁判所は12月16日に開催予定の次回の審理に向け、両社がそれぞれの主張を裏付けるさらなる情報を提出することを許可しているという。一方で今回の決定により、Appleは他の21カ国と同様にイタリアにおいても、予定通り10月28日にiPhone 4Sを発売する計画を進められることになった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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