「iPhone 4S」がついに発表された。
Appleは米国時間10月4日、カリフォルニア州クパチーノにある本社で約1年半ぶりの新型となる新しい「iPhone」を発表した。iPhone 4Sの外観は現行の「iPhone 4」とほぼ同じだが、カメラやプロセッサ、メモリといった部分に改良が加えられている。同社はさらに「iPod」のラインアップのアップデートを発表し、アップデートされた同社OSの「iOS 5」と「iCloud」サービスの提供を10月12日から開始するとした。そして最後に、Sprint Nextelが新たなキャリアパートナーとして加わることを正式発表した。
だが、皆の注目を集めたのはiPhone 4Sだった。この新製品は、Appleにとって重大な局面での投入となる。同社の大ヒットデバイスであるiPhoneは依然好調なセールスを記録しているものの、スマートフォン分野におけるその優位はGoogleの「Android」プラットフォームの急成長によって脅かされている。その上、Appleは新たに最高経営責任者(CEO)に就任したTim Cook氏の下でも同社の成長を持続できることを証明するため躍起になっている。
iPhone 4Sは米国において10月14日に発売されるが、10月7日から先行予約が可能だ。米国外については、12月までに各国での発売を計画しているという。標準価格(2年契約が必要)は変わらないが、価格399ドルの64Gバイトモデルが新たに加わった。そして、8GバイトのiPhone 4は99ドルで販売され、「iPhone 3GS」は無料となる。
長いあいだ待たされたため、この新型iPhoneを待ち望む声はいつになく強い。2007年の初代iPhoneの初登場からiPhone 4まで、iPhoneは夏に発売されるのが常だった。今回の発売ずれ込みは新型に対する需要をあおり、さまざまなうわさを流布させる結果となった。だが、大きなデザイン変更がされなかったことで、より劇的な変化を期待していた一部のAppleファンは落胆しているかもしれない。
iPhone 4の売れ行きは現在も好調なものの、Appleには新製品が必要だった。その理由は販売を再び活性化することと、Sprint Nextelの「HTC EVO 3D」やVerizon Wirelessから出るMotorolaの「DROID BIONIC」、そしてAT&Tのサムスン「Galaxy S II」など、昨今市場に登場して話題をさらっているAndroid搭載スマートフォンの数々から注目を取り戻すことにあった。
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